もちろん嫌な事はあったけど、可愛い女性とイチャイチャしたり、ちょっぴりエッチな生活を送って、ハッピーエンドを迎えられたので、幸せ一杯です! (短編集)
親の再婚で義理の妹と同居するようになった。天真爛漫で可愛い妹は俺に懐いてくれているけど、俺は君に手を出せない
親の再婚で義理の妹と同居するようになった。天真爛漫で可愛い妹は俺に懐いてくれているけど、俺は君に手を出せない
「おーい、瑠衣」
休み時間に入り、廊下を歩いていると、後ろから亜希に呼び止められる。俺は足を止め後ろを振り向いた。
亜希はクッキーの入った透明のビニール袋を持ちながら、駆け寄ってきて俺の前に止まると、「これ、家庭科の授業で作ったからあげる」と、差し出してきた。
「え、良いの?」
「うん」
「ありがとう」
俺は早速、頂こうと封を開けながら「女の子のこういうの貰うの初めてだから嬉しいよ」
「え?」
「ん?」
「妹さんはこういうの作ってくれないの?」
「あぁ、香澄は料理できないから」
「へぇー……」
俺はチョコの色した星形クッキーを一つ掴み、「綺麗に出来ているね」と言って見つめた。
亜希はグイっと俺に近づき、「でしょ、でしょ。早く食べてみてよ!」と、飛び跳ねそうなテンションで、嬉しそうにそう言った。
俺は何だか照れくさいと感じつつも、その距離を保ち、クッキーを口にする。
「試しに食べたから味は大丈夫だと思うけど、どう?」
「美味しいよ」
「良かった!」
ニコニコと嬉しそうな笑顔を浮かべ、監視していた亜希が急に落ち着かない様子で髪を撫で始める。
「どうかした?」
「あのさ──私、御菓子以外にも作れるよ」
「へぇー、食べてみたいな」
「本当!? じゃあ明日、作ってきてあげるよ」
「マジ? 楽しみにしてるわ」
「うん!」
亜希は返事をすると、後ろで手を組み、鼻歌交じりで歩いて行った──。
※※※
次の日の朝食。
「お兄、そこのマーガリン取って」
「はいよ」と、俺は返事をして、香澄にマーガリンを渡す。香澄は受け取ると「ありがとう」と、返事をして食パンに塗りだした。
「あ! 母さん。今日のお弁当いらないから」
「え? もう作ってしまったけど……」
「言うの遅くてごめん」
「仕方ないわね。私が御昼に食べるから良いわよ」
香澄はマーガリンを食卓の真ん中に置くと「お兄、何で弁当いらないの?」
「ん? 亜希が俺の分のお弁当も作ってくれるって言うから」
「へぇー……」
「瑠衣、それならちゃんとお弁当箱を持って帰ってきなさいね。お母さん、洗ってあげるから」
「はーい」と俺は返事をして、「ご馳走様」と立ち上がる。食器を持って、キッチンへと向かった──。
※※※
昼休みになり俺は亜希と約束した体育館裏へと向かった──俺が到着すると、準備の良い亜希は、可愛いキャラクターが描かれたレジャーシートを敷いて、待っていてくれていた。
「おーい、瑠衣。ここ、ここ」と、俺に気付いた亜希は大きく手を振ってくる。
「そんなにブンブン手を振らなくても、気づいているって」と、俺が声を掛けると、亜希は「そうなんだけどね……楽しみにしていたのが溢れ出ちゃって」と、嬉しい事を言ってくれた。
亜希は青とピンクのお弁当箱を開けながら「どうぞ、座ってくださいな」
「お邪魔します」と俺は言って、靴を脱ぐと亜希の向かいに座る。
「はい、どうぞ」と、差し出された御弁当には、卵焼きにソーセージ、唐揚げにレタスやトマトと、色とりどりの食材が詰められていて、豪華だった。
「美味しそうだな」
「味の好みは分からなかったけど、一生懸命に作ったから、残さず食べて欲しいな」
「もちろん、残さずに食べるよ」と俺は箸を手に取り「頂きます」と言って両手を合わせる。
「どうぞ、召し上がれ」と、亜希は返事をして、箸を持つと「頂きます」と両手を合わせた。
どれにしようかな……まずは卵焼きを半分に切ってパクっと頂く──亜希は砂糖と醤油派か。フワフワの触感に、甘じょっぱくて美味しい。
「どう?」
「もちろん美味しいよ」
「良かった!」
心地よい風が吹き、学校だというのにまるで公園でピクニックをしているような気分だ。俺達は他愛ない会話を交わしながら、食べ進めていく──。
「ねぇ、瑠衣」
「ん?」
「突然だけどさ──もし奥さんにするなら、料理の出来る人が良いと思わない?」
「そうだな。美味しい料理をたくさん食べたいな」
──俺がそう答えると、なぜか亜希は俯きながら黙り込む。俺、何か変な事を言ったか? 鳥の唐揚げをツンツン突いていたかと思うと、1個を箸で掴み、俺の口の前に差し出してくる。
「そうだなって、意味わかって言ってる?」
「意味?」
──どういう意味だか良く分からなかったが、戸惑いながらも、とりあえず差し出しくれている唐揚げをパクっと口にする。
亜希は黙って箸を弁当箱の上に乗せると「私なら美味しい料理、作ってあげられるよ。だから──私と付き合わない?」と、俺を可愛い目で見つめた。
えっと……俺、告白されてる? いままで女の子に縁がなかった俺が? いきなりの状況に、頭がついていかない──。
返事をなかなか返ってこなくて、不安になったのか亜希は眉を顰めて「ダメ──かな?」と、悲しげに言った。
「いや……なんつうか、俺ってモテないだろ? 情けない事にビックリしちゃって。少しの間、考えさせてくれないか?」
「うん、分かった」
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