小さな箱庭

ozaroa

『雨と焼きおにぎり』

雨音で目が覚めると、すでに昼を過ぎていた。

車が水を跳ねていく音や規則的な音響式の信号機の音が遠くから聞こえてくる。

休日の自宅は少し散らかっており、それでも雨を理由に掃除は明日にしようともくろみながらもゆっくりと起き上がった。

深夜2時過ぎに眠りについたとはいえ、寝すぎると頭が痛くなってしまう。せっかくの休日なのにそんな不快な思いをしてまで眠りに就こうなんて思わない。


起きたらまず湯を沸かす。その間に軽く歯を磨き、その次に昨晩水に付けていた洗い物を全て片付けるのがルーティーンとなっている。

乾いたものは食器棚に戻して水切りに入らない大きな鍋やフライパンは拭いて元に戻しておく。

洗ったばかりのお気に入りのマグカップの水気を拭いて沸きたてのお湯と水をマグに注ぎ少し熱い白湯を飲む。仕事の日でも、休日でも、この時間が一番深く息をつけた。


カーテンを開けると、外と同じような灰色と白の光が部屋を満たす。灰色に薄暗い部屋が好きなので、一日家にいる日は殆ど電気を付けずに過ごすのが日課となっている。最近は日も長くなってきたので、19時を過ぎても十分に明るい。晩御飯を食べるのが遅くなるのはきっと外が明るいからだ。


晩御飯は何を食べようか。

昼はおなかが空いていたので冷蔵庫にあった適当な野菜を炒めて冷凍のうどんを使い野菜うどんにした。雨で少し体が冷えていたのかもしれない。出汁が妙に体に沁みた。

どうせ23時を過ぎればまた眠くなるのだから、ジャガイモでも蒸かして塩とマヨネーズをかけて食べるだけでもいいかもしれない。満腹だと上手く寝付けないから、晩御飯はあまり多く食べないようにしている。足りなかったら、冷凍してあるご飯を解凍し焼きおにぎりでもしよう。

そうだった。先日新しいフライパンを買ったのだから、せっかくなら焼きおにぎりを作ろう。私は焼きおにぎりを綺麗に焼くのが得意なのだから、新しいフライパンでもきっと見惚れるような焼き目が作れる。

雨音に醤油の焦げる音が混ざり、きっと良い夜になるに違いない。


こんな風に書き連ねていたらおなかが空いてきた。今から焼きおにぎりを作ろうと思うので、今日はここまでにしよう。

さようなら。

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