創作に関するエッセイ

歩夢図

第1話.人気が無いのになぜ書くのか

 普段カクヨムに常駐してふだん感じたこと思ったことを近況ノートに書こうかと思ったが、フォロワー以外にも目に触れられるよう、エッセイとしてまとめることにした。


 星も大して頂いていない物書きが創作論を述べても興味は持たれないかもしれないが、幾許いくばくかの方には共感も得られるのではないかと思う。


 さて、先ほど言った通り、拙作を読んでくださる方がいて非常に有難く、ふだん感謝を忘れたことはない。


 星や感想やハートをいただくたび頰が緩む日々だが、それも限度があるようで、全体的に見ると他の作品に比べ評価があまり得られていない。


 それでもなお、評価を得られないのに書き続けているのか、自分なりに考えてみた。


 星を何百個、何千個ももらい、フォロワーも三桁、四桁もありながら筆を断つ、いわゆるエタる作品というものがある。


 たくさんの星で評価されるなんて、まったく贅沢で羨ましい話なのだが、勿体無いことに更新せず、書くのを止めているものが少なくない。


 病気や仕事、学業が忙しいなどの理由も中にはあるだろうが、それらと私の作品を比べたところ、やっぱり作品内に核となる書きたいテーマ、世の中に伝えたいことがあるかどうかではないかと思う。


 おそらく投稿サイトで投稿された小説は、次の四つのパターンになるのではないだろうか。


 A書きたいものがあって評価を得る

 B書きたいものがあって評価を得ない

 C書きたいものがなくて評価を得る

 D書きたいものがなくて評価を得ない


 単に評価を得たいからと人気作を真似たものを書いたものの、その他大勢に埋もれてしまって評価されないDのパターンは避けたいところだ。


 最良はAのパターンだが、大抵はBかCのパターンになると思う。


 だが、評価を得ながら筆を断つ作品が少なからずあるということは、Cのパターンだからではないか。


 なぜなら、たくさんの評価を得ながら止めているものは、流行りのワードをふんだんに使っているものが多かったからである。


 承認欲求を満たす目的で創作し、評価を得たとしても、書くにつれ、もっと評価されたいという欲が先立ち、ついには評価も限界がきて、創作自体を続けることが苦痛になって止めてしまう。


 そんな感じに見える。


 私が書き続けられるのは書きたいテーマがあるから。


 ふだん人と接し、ネットやニュースを観て自分なりに思うことがあるからだと思う。


 フォロワーの方や他の書き手を見ても、流行りのテンプレートでなくても書き続けている人の作品は、そういう物が多いように見える。


 書きたいテーマ、表現したいものがある人は強い。


 なので今後も、作家、井上ひさし氏の言葉、


『むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに、ゆかいなことをまじめに書くこと』


 をモットーに、画家、田中一村氏の言葉、


『私の死後、50年か100年後に私の絵を認めてくれる人が出てくればいいのです。私はそのために描いているのです』


 これぐらいの心持ちで、理想のAパターンを目指して、書きたいテーマを完結まで書き続けようと思う。

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