勇者が帰るその時まで
こえの
1章
ある少女の告白
あなたのことが好きでした。
ずっとずっと、好きでした。
突然私の目の前に現れた私の勇者様。
最初はとてもビックリしたけれど。
だんだんと好きになっていきました。
あなたはいつも前向きで、
少し照れ屋さんで言葉数は少なかったけれど、
いつも私を励ましてくれて、
いつも私と一緒に居てくれて、
少しスケベな所はあったけれど、
そんな所も好きだったのです。
だから最後に私はあなたにちゃんと、
この思いを告げなければいけなかった。
この思いを告げられないままじゃ私は戦えない。
そう思ったのです。
これまでの旅はとても楽しかった。
皆と過ごしたこの日々を忘れることはありません。
私にとって、いつまでもいつまでも、大切な思い出なのです。
……。
大好きです。
大好きなんです。
あなたとずっと一緒に居たいんです。
温もりを感じ続けていたかった。
ずっとずっと、その背中を追い続けたかった。
ねぇ、私の勇者様。
私の思いは届いていますか?
私は勇者様の思いを尊重しているけれど、
でも私は勇者様には死んでほしくはありません。
だから、必ず、勝利を手に入れて、私を迎えに来て。
いつまでも待ってるから。
私の勇者様。
勇者が帰るその時まで こえの @haihaivoice
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