バウムクーヘンなんていらない
鈴星 玲音
第1話
ものごころがつくにつれて、僕は前世の記憶をだんだんと思い出してきた。
とは言っても20代過ぎくらいまでの記憶しか思い出せず、果たしてそのあと死んでしまったのか長生きしたのかはわからない。
転生先は前世の地球とほとんど同じだったが大きく違うところがひとつあった。
なんとこの世界には魔法があるのだ。
魔法があると言えば中世ファンタジーのようなイメージがあったが、この世界では魔法に加えて科学も発展していたので前世の時よりは文明が少し進んでいた。
この世界には魔物なんていう生物はいないし魔法があったら科学は発展しないなどということはなく、むしろ魔法と科学が組み合わさり便利なものも開発されている。
転生した新たな僕は日本の
鏡で見た自分は端正な顔立ちに綺麗な金髪、蒼と紅のオッドアイとまるでお人形のような可愛い女の子だった。
そして上には4つ離れた長男がいる。
将来は兄が天神家を継いでいくのだろう。
また、天神家の使用人のこどもで僕と同い年の銀髪碧眼の女の子、月宮梨紗が幼馴染としていた。
天神家は日本の五大財閥の一つであり、歴史ある家系だ。
お陰で僕の魔力量は生まれた時からだいぶ多い上位貴族級だった。
この世界で魔力量は上位貴族級、貴族級、一般級、魔力なしに分かれている。
たまにある奇跡の子を除き、魔力量級は遺伝していく。
オリジナルの魔法が使えるのは貴族級以上で、一般級では生活に役立つ魔法や魔道具に魔力を少し込められるくらいだ。
僕はもしかしたらと思い、記憶の中にこの世界と似た漫画やアニメの世界はあるかと探ったが特になかった。
転生から数年経ち、新しい世界、身体、生活にも慣れてきた頃、私はようやく魔法に手を出しはじめた。
数年の間で、両親や使用人から僕という一人称を私に変えさせられたり、女の子としての振る舞いを身につけさせられた。
転生前の記憶と少女の身体などが複雑に絡み合った結果からか性格はや振る舞いは前世とも年相応の少女とも違う感じになっていった気がした。
この世界の魔法は適正にもよるが一般級でも使える簡単な魔法と、貴族級以上が使えるオリジナル魔法がある。
オリジナル魔法は例外はあるが基本1人一つで中学生前後で適正や欲したものにより開花する。
魔法の仕様と転生のアドバンテージにより、私の魔法は試行錯誤の末、10歳の時に完成した。
そして小学校を卒業したあと、私は数ある魔法都市の一つである
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