第3話
眼を覚ますと、そこにはいつもと同じ灰色のコンクリートの壁が存在していた。
周りからは、空の匂いや獣の匂い等がして、決して心地よい目覚めとは言えないが、いまの私にはこれでいいとも思える。
ここは、街中で偶然見つけた廃ビル、その一室だ。誰もいない静かな場所を探したら、ここへとたどり着いた。それからはここを拠点としている。
誰も立ち寄らず、誰の干渉も受ける事もない。それがたまには寂しくもなるが、私が侵したこれまでの事を考えれば、1人でいる方がいい。
だが、今日はそうもいかないらしい。
近くで誰かの足音がしたからだ。私は起き上がり、足音のした方向へと振り向く。
「誰っ!
……え?」
「こんばんわ、"お嬢さん"」
そこに人影はあった。だがその姿は……最初の犠牲者である、親友の少女の姿だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます