第2話

こける音:ズサッ→駆け寄る足音:トタトタ

『大丈夫かい?後輩君』


『あー足怪我してるじゃないか。ダメだよ、気をつけなきゃ』

『保健室まで連れて行くよ』

『ほら僕の肩に捕まって』

『え?自分で歩けるって?もういいからほらここは先輩の好意に甘えるところ』

↓耳の近くで囁き

『わかった?』

『ふふふ、耳を真っ赤にして可愛いな後輩君は。って、ごめん、ごめん暴れないで』

『ほら、学校までもう少しだから我慢して』

↓小声

『いや、後輩君にとっては役得かな』

『ん?いや何でもないよ』


保健室のドアを開閉音:ガラガラ→ガラガラ、トン

『失礼します。けが人連れてきたんですけど・・・って先生いないみたいだね』

『まあ、いいや僕が処置してあげるからそこのベッドに座って』

『先輩にできるのかって?失礼だな。怪我の処置ぐらい僕にだってできるさ』

『君こそそこに大人しく座っておいておくれよ』

『え~と、消毒液はっとあった。後はこれとこれでよし』

『ちょっと染みるけど我慢してね。ポンポンっと』

『これを貼ってっと。はい、終わり』

『よく我慢できたね。よしよし』←頭を撫でる

『うん?ちょっと動かないで』

主人公に顔を近づける


『あ、逃げるな。ってうわ』

ベッドに倒れ込む:ドサッ

『くすくす。すごい、心臓がバクバク言ってる』

『ちょっと暴れないで』

主人公:逃げようとするが逃げられない

↓耳の近くで囁き

『ダメ。絶対に逃がさない』

『よしとれた。うん?顔真っ赤にしてもしかして変なことでも想像しちゃったかい後輩君?』

『ふふふ、冗談だよ。あ、ホームルーム始まっちゃうね。急がないと』

↓耳の近くで囁き

『それともまだこのままでいたいかい?』

『そんなに慌てて起き上がらなくてもいいじゃないか』

↓小声で

『あ、保健室の備品勝手に使ったことは僕と後輩君だけの秘密ね』

『よろしい。じゃあね』

『あ、そうだ。怪我した時は言ってね。僕が治療してあげるから』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る