あの頃から好きでした。

@520724

第一章 出会い

私の名前は中野紗良(なかのさら)。中高一貫の神星中学(かんせいちゅうがく)に通う中学三年生。お父さんとお母さんが小さい頃に離婚し、お母さんが一人でここまで育ててくれた。私立の中学校に通わせてくれたりと色々お世話になっている。いつか恩返しがしたいと思っている。


「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃーい」



ガラッ



「おっはよー」

「おはよー紗良」

今返事してくれたのは佐々木佳奈(ささきかな)。中一からの友達だ。

「おっはー紗良」

次返事してくれたのは宮川琉夏(みやかわるか)。同じく中一からの友達。

「紗良おはよう」

次返事してくれたのは中井海(なかいかい)。同じく中一からの友達。

合計四人でいつもいる。


「そういえば今日男子の転校生来るらしいよ!」

「そうなの⁉」

「うん。今日佳奈日直でさ~先生が言ってた。しかも席一つ足されてんじゃん。」

「確かにっていうか紗良の隣じゃん!ラッキー」

「かっこいいかな~」

「相変わらず琉夏はイケメン好きだね~w」

「紗良に言われたくないんだけど~」

「まぁ紗良もイケメン好きだよねー」

「まぁそうだけどねー そういう海はどうなの?イケメン好きでしょ?」

「私は~かわいい系が好きだから~」

「そっかー 琉夏は?」

「私もかわいい系かなー」

「そうなの⁉意外!」



ガラッ



「はーい席着け~ 今日は転校生が来てます。入ってきてくれ」

「はい」


「イケメンじゃん紗良!」

「ねー」

「隣いいなー」

「・・・」

「どうしたの紗良?ぼーっとしてるけど。」

「あぁなんか見たことあるようなって思って。」

「マジ⁉」

「いやー気のせいだと思うけど、、、」


「じゃあ軽く自己紹介してくれ。」

「はい。名前は佐野蒼空です。転校する前はバスケ部に入ってました。この学校でもバスケ部に入ろうと思っています。まだわからないことはたくさんありますがよろしくおねがいします。」

「よろしくな。佐野の席は中野の隣な。中野色々教えてやってくれ。」

「はーい」



「よろしくね。私のことは紗良って呼んでくれればいいから。わからないことあったらどんどん聞いてねー。」

「ありがとう。蒼空って呼んでくれればいいから。よろしく紗良」

「うん。」



~昼休み~

「紗良~屋上にお昼食べに行こー」

「いいよー。あっ 蒼空も誘っていい?」

「蒼空って転校生だよね?」

「うん」

「いいよー」


「蒼空!私、琉夏たちと屋上にお昼食べに行くんだけど一緒に食べない?」

「いいの?」

「もちろん!」

「ちょっと待ってて、」


「お待たせ。」

「よしっ じゃあ行こーう」

「紗良ってお弁当食べるときになると元気になるよねー」

「海に言われたくありませんー」


「そういえば、、、蒼空だっけ、どこに住んでるの?」

「〇〇駅だよ。」

「紗良たちと途中まで同じじゃん!一緒に帰ろうよー」

「けど今日部活あるでしょ紗良。」

「そうだったー」

「けど、俺も部活あるよ。」

「もう入ったの?」

「うん」

「じゃあ校門前に待ち合わせで!」

「OK」


「紗良以外の人の名前聞いてもいいかな?」

「あぁーそういえば言ってなかったねー。私の名前は佐々木佳奈。佳奈って呼んでね。」

「私の名前は宮川琉夏。琉夏って呼んでね。」

「私の名前は中井海。海って呼んでね。」

「俺は蒼空って呼んでくれればいいから。」

「了解!」


「紗良たちは何部に入ってるの?」

「みんなバスケ部だよ。」

「そうなんだ。」

「ちなみに私たちは、中一からの付き合いだよ。」

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

「ヤバっもうすぐ授業始まるよ。」

「ホントだ!」

「じゃあまた帰りに続き話そう!」

「うん」



~部活が終わってから~

「蒼空待ってるかな?」

「どーだろー」


「いたっ」

「お待たせ~」

「じゃあ帰ろーう」

「さっきの続きなんだけどさ蒼空って彼女とかいるの?」

「いないよ。」

「いないの⁉」

「なんでそんな驚くの琉夏w」

「いやーかっこいいじゃん。」

「ありがとう。けど、、、好きな人ならいるよ。」

「マジ⁉いつから⁉」

「海聞きすぎw」

「えぇー気になるじゃん。紗良も気にならない?」

「まぁ気になるけど、一気に聞きすぎw」

「俺は別に大丈夫だけど、、、」

「ほらっ」


「さっきの海の質問だけど、、、俺小学校四年生まで今住んでるところらへんに住んでて、引っ越したんだけど、また戻ってきたんだよね。」

「そうなんだ」

「それで、四年生の夏休み、昼過ぎに散歩してたら、道に迷ってる子がいて、その子に道を教えてあげて、別れるときに笑顔で『ありがとう』って言ってくれて、その笑顔が可愛すぎて」

「それで恋に落ちたと。」

「そう」

「今も好きなの?」

「うん。ずっと忘れられない。」

「そっかー」

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

「じゃあ俺ここで降りるから。」

「うん。バイバーイ」

「また明日ー」

「バイバイ」

「またねー」


蒼空がいなくなってから、、、

「蒼空さ、好きな人のこと話すとき紗良のことチラチラ見てたよねー」

「琉夏も気付いてた~?私も思ってたー」

「私もー」

「そんなことないよ!」

「もしかしたらその子紗良のことかもよー」

「心当たりないの?」

「ないよー」

「ホントに~?」

「ホントだよ~」



〈蒼空〉

教室に入ったときから気付いてた。『あの時の子だ』って。向こうは気付いてないけど。

その子と隣になった。けれども気付かない。

昼休み、、、

「蒼空!私、琉夏たちと屋上にお昼食べに行くんだけど一緒に食べない?」

「いいの?」

「もちろん!」

「ちょっと待ってて、」


一緒に昼ご飯を食べないか誘われた。嬉しかった。


「そういえば、、、蒼空だっけ、どこに住んでるの?」

「〇〇駅だよ。」

「紗良たちと途中まで同じじゃん!一緒に帰ろうよー」

「けど今日部活あるでしょ紗良。」

「そうだったー」

「けど、俺も部活あるよ。」

「もう入ったの?」

「うん」

「じゃあ校門前に待ち合わせで!」

「OK」


一緒に帰ることになった。


「さっきの続きなんだけどさ蒼空って彼女とかいるの?」

「いないよ。」

「いないの⁉」

「なんでそんな驚くの琉夏w」

「いやーかっこいいじゃん。」

「ありがとう。けど、、、好きな人ならいるよ。」

「マジ⁉いつから⁉」

「海聞きすぎw」

「えぇー気になるじゃん。紗良も気にならない?」

「まぁ気になるけど、一気に聞きすぎw」

「俺は別に大丈夫だけど、、、」

「ほらっ」


もしかしたらあのことを話せば思い出してくれるかもしれない。


話した。けど紗良は何にも言ってこなかった。覚えてないようだった。


(そうだよな。俺にとっては初恋で、覚えているけど、紗良にとってはただ道を教えてくれた人だもんなー)




そう、蒼空が言ってた人は紗良だった。

転校してきて、初めて会ったのではなかった。もう、一回会っていたのだ。

小学校四年生でのことが紗良と蒼空の出会いだった。

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