第5話

がちゃん。


双方の衛兵の鎧が擦れる音。

それの槍が接触する音。

槍はロイヤルとアイスの前で交差した。


「許可無き者よ。この先はデスムス王の城であるぞ。即刻立ち去れ!」


「あ、僕ロイヤル。」


その七文字だけで衛兵の態度は真反対になった。


「ろ、ロイヤル様でしたか!大変失礼したしました!何分、新人なもので…」


「別に畏まらなくていいよ。僕、そんなに偉くないし。それより、今デスムスさんはいる?」


「はっ!只今、玉座の間に於いてお寛ぎ中であります。」


「ちょうどいいや。行ってくるね。」


「はっ。」


ロイヤルはアイスを抱え、跳ね橋を飛び越え、玉座の窓から王室に侵入した。

それを食い入るように見ていた衛兵の一人が口を開いた。


「あの人なんなんだ…デスムス王をさん付けで…」

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