知らない兄

連喜

第1話 隠し事

 これはネットから拾って来た話。


 中学生の女の子(Aちゃん)。その人は一人っ子だった。

 父親が子供は一人でいいという考えで、兄弟はいなかったそうだ。


 こういう家族もいるんだろうか。

 俺の親世代だと、兄弟がいないとかわいそうとか、ろくな人間に育たないなんて言われたもんだ。

 でも、俺と兄は絶縁状態。幼い頃から不仲だから兄弟がいた方がいいかというと、どちらともいえないと思う。


 Aちゃん自身も一人っ子がいいと思っていた。

 兄弟で比べられたくないからだとか。弟の方が優秀で、灘高に行くような子だったら嫌だと思っていたそうだ。

 お母さんは30代半ばで出産して、病気などもなく、兄弟を持つのも可能だったようだが、やはり作らなかったらしい。


 お母さんがもう出産できない年になった頃のこと・・・たぶん、50くらいだろうか。


 いきなり、お母さんがAちゃんに「実は隠していたことがあるの」と、言ったそうだ。Aちゃんはびっくりして、きっとよくないことだと思ったらしい。そりゃそうだろう・・・不都合なことじゃなかったら、隠す必要はないからだ。


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