(四)-2

 でももうここまで来てしまった。もうやるしかない。俺は覚悟を決めた。

「トラブルが起きたらすぐに引き返してこい」

 無線がそう言うと、シッコはオートパイロットを離陸モードにセットした。

「よし!行くぞ」

 シッコが操縦桿を少し前に倒した。すると機体はゆっくりと前に進んでいった。

 宇宙船は月面に対し水平に移動していき、港の構造物を抜けた。月面から斜め上に伸びるリニアカタパルトデッキに向かい、振動が一回きた。カタパルトの牽引フックに船が引っかかったのだろう。

「クラスのあいつらを見返してやるぜ!」


(続く)

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