第44話 ベイハーバー倉庫と、氷の剣
フレア「図書館は……も、もういい……」
アスティ「そういう割には『戦術系』の本は割と熱心に読んでたじゃん?」
フレア「私はそれくらいしか興味がないからな。うう、文字が頭の中でグルグル回っている。もうしばらく本は読みたくない……」
アスティ「さて、じゃあ気分転換、じゃなかった、さらなる情報収集のために倉庫に行ってみますか」
ホーク「今、気分転換って……」
アスティ「言ってない! さあ倉庫に行くよ!」
軍港の倉庫だけあっていろいろな武器を格納しているのだろうか。倉庫としてはかなりデカい建物だ。一応兵士は見張っているものの、今は一般人も入れる状態のようだ
――私は目をつぶり、いったん落ち着いた――
アスティ「ごめんくださーい、と」
倉庫の奥まで進むと、その場にそぐわない宝箱があった。いかにも凄いお宝が入っていそうな。いやでもこれって罠じゃない?
いったん入口の方まで戻ってみる。誰もいない。誰も見ていない
フレア「アスティ?」
フォクシー「アスティさん?」
ホーク「おいアスティ? 何をするつもりだ?」
アスティ「…………」
私は宝箱を開けた。青白い剣が見えた
アスティ「わお、青白く透き通った強そうな剣……これはまさしくアイスソード!」
私はそれを、道具袋に入れた
フレア「アスティ!?」
フォクシー「アスティさん!?」
ホーク「おいアスティ!? 何してんだよ!?」
アスティ「…………」
そして、私達は入口に向かう。誰も言葉を発さない。暗黙の了解というには、その場に流れる空気が重過ぎた。仲間達の視線が私に突き刺さる。しかし……
入口に誰かいる。さっきまでは誰もいなかったのに。しかも人間じゃない。そのモンスターは、一つ目で巨大な身体、巨大な棍棒を持っていた。トロール?
編隊倉庫番「ここは とおさん!」
ナレーション「モンスターの群れが現れた!」
アスティ「な、なんとかしないと!」
トロール……編隊倉庫番が1体と、お供の小さな、しかし強そうなモンスターが2体。戦って勝てる相手とはあまり思えないが、どうやら逃がしてくれる気はない
アスティ「戦うしか!」
……瞬殺だった。強過ぎる
アスティ「まさかこんな化け物が……。うかつだったか…」
編隊倉庫番「ふはは ばかめ!!」
ナレーション「お金とアイテムをたくさん取られた!」
アスティ「いや、ちょっとマジでガッツリ取られてるんだけど! なぜかアイスソードだけ手元に残ってるけど! ウッソだろお前!」
命は取られなかったが、これは流石にキツイ。お金は命より重いのだ。仲間達には悪いがやり直しさせてもらう。ここはしばらく後に攻略しよう。もしかしたら他にアイスソードを手に入れる手段とかあるかもだし
――私は目をつぶり、いったん落ち着いた――
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