禁句連小説版 第1章
Sケープ
第1話 光の柱、異世界
眩しい……。 私は、白い光の……円柱に包まれていた
落ちていく……落ちていく……どこへ向かって……?
やがて『それ』はゆっくりになり、地面にストンと脚がついた感覚があった
光の柱も、煙のようにスーっと消えていった
辺りを見渡すと、一面の草原。自分の足元には平らな、それほど広くはない人為的に作られた石のステージがあり、石の階段が下まで続いている。ステージ上には瓦礫のように積まれた石もある。少し壊れているようだが、古い祭壇だろうか?
いやいやいや。正直、この状況はまるで意味がわからない
「どういうことなの……? 今、私は自分の部屋でゲームしてたはずなのに……」
私はアスティ。髪はポニーテールのピンク色……はちょっと変わってるねとよく言われるが、それ以外はいたって普通のかわいい高校生の女の子だ。ちなみに勉強もスポーツも割と得意な方という自信がある。文武両道というやつだ。
???「あ……。えーと……。あの……」
フォクシー「私はフォクシーと申します。失礼ですがあなたはビジター……。いえ、異世界からお越しの方ですか?」
アスティ「えーちょっと待ってあともう少しで武器コンプするところだったし消化してない積みゲーもたくさんあるんだけど! マジふざけんな誰の仕業か知らんがこのクソが調子ぶっこきやがって八つ裂きにして地獄に蹴落として……」
私はあふれ出る言葉を開放し、さらに地団太を踏んだ
フォクシー「……(こ、怖い……)」
誰かの声が聞こえたような――というか、明らかにおびえた表情でこちらを見ている、いかにもフィクションに出てくる僧侶っぽい見た目の女の子がいた。状況がわからなくて混乱しているとはいえ、初対面の相手に悪いことをしてしまった
アスティ「ご、ごめん。私はアスティ。急なことで混乱しちゃって……」
状況はいまだわからず、どんな相手かもまだわからないが、とりあえず謝ろう。この場は明らかに私が悪い
フォクシー「私が祭壇を調査しようとしたら、偶然アスティさんが現れたんです。
だから怒らないでください……」
完全におびえている。白い僧侶の衣装の、誠実そうでかわいらしい少女――フォクシーは、まるで小動物のように震えている
アスティ「ごめんね。怒ってないって。でも異世界訪問か。信じられないけど、状況的に信じるしかないみたいね」
しかしふと、次の疑問が浮かぶ
アスティ 「ところで私はすぐに元の世界に帰れるのかな? フォクシーちゃん?」
フォクシー「残念ですが……難しいですね。詳しい事情は長くなりますので、近くに
ある『ビギンの町』でお話します」
まあ、なんとなくそんな予感はしていた
フォクシー「私もアスティさんが無事帰れるよう、できる限りお手伝いいたします」
アスティ「フォクシーちゃんサンキュー! とうっ!!」
この状況を把握しているどころか協力までしてくれる相手がいきなり見つかったのはラッキーだったろう。私は祭壇らしき所から飛び降りた。勢いあまってフォクシーちゃんを飛び越えたが、着地は完璧だったのでまあ些細なことだ
その時、どこからか謎の声が響いてきた
ナレーション「フォクシーが仲間になった!」
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