第119話 ルル王女SIDE 神との友情
私は今……世の中の真実という物を知る事になりました。
『この世界に女神イシュタス様と神竜セレス様の子供が居る』
そんな存在が降臨されていると言うのです。
信じられますか?
こんな話を誰かからされたら『頭がおかしくなったのかな』そう思う筈ですが……その情報源が王であるお父様や教皇様、そしてあの勇者の血を引くエドガー様なら真実味が増すという物です。
道理で、破格値な訳ですね。
『セレナ様を落とせば女王の地位が確定』だなんて。
どうりで、凛々しい筈ですね。
王女である私は色々な男性をこの目で見てきました。
ですが、どの男性も底が見えるのです。
地位を欲しがる者。
権力やお金を欲しがる者。
その卑しさが見えてげんなりします。
ですが、セレナ様からはそういった物が一切見えません。
てっきり、教皇様の遠縁だから、地位があり神に仕える人格者だから、そう思っていましたが、違っていたようですね。
『神そのもの』なのですから…….
しかし、あの光景は凄かったですね。
協力者になる事で特別に記録水晶を見せて頂いたのですが……
軍神アークス……一応神ですから様は必要ですね。
軍神アークス様と戦った、あのお姿。
正に神、その物でしたわ。
王女とはいえ私だって少女です。
勇者ゼクト様や神竜セレス様と同じ時代を生き共に過ごされたメル様が羨ましくてなりませんでした。
だって、物語の主人公みたいな方が傍にいる。
そんなの羨ましくないわけないじゃないですか?
まぁ、セレス様は年増が好みみたいでしたが……
それでも羨ましく思うのです。
ですが……そんな私の前にも現れたのですよ。
物語の主人公の様な方が……
幸いこの学園で一番地位があるのは私です。
王女たる私こそが、セレナ様の伴侶に相応しいですね。
だからこそ、皆様がこっそり私にセレナ様の事を教えてくれたのだとおもいますわ。
◆◆◆
「ハァ~たかが王女がセレナ様と釣り合うとでも!」
なんでこんなに私は責められているのでしょうか?
「エドガー様!? 私はこれでも王女ですよ。 私こそがセレナ様に……」
「ハァ~ 私達が貴方にセレナ様の正体をお教えしたのは、セレナ様が楽しく学園生活を過ごす協力者が欲しかったからです。貴方に口説いて良いと誰が言ったのですか?」
「ですが……私は王女」
「ハァ~王女だなんて、神の前ではそんな肩書意味はないですね。神であるセレナ様にとっては『この世界全てがセレナ様の物』の望むなら『どんな女性でもセレナ様の物』です。 元から生きとし生きる者全てセレナ様の物ですから……それに貴方も加わりますからね」
「そうですか……」
確かに神の前じゃ王女なんて肩書意味はないですね。
「はい、私も教皇様も全部、セレナ様に仕える者なのです。 ですが、セレナ様は、そう言う堅苦しいのを嫌います……私みたいな狭小な者にまで『友人』でいる事を求めるのです」
「だったら……私は……」
「友人になれば良いのです! 折角友人になれるチャンスがあるのですから」
「友人ですか……」
「はい、ですが勘違いしちゃいけません。 セレナ様への友情には命をかけなさい! そして貴方は友人であってもセレナ様になにかを望んじゃいけません」
それが果たして友人なのでしょうか?
「解りました」
よく考えたら、神と人間の間。
友情と言ってもその位差があるのも可笑しくありませんね。
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