第112話 セレナVSアークス③
「わはははっ、凄い、凄いぞーー! 随分と良い顔つきになったわ! 誉めてやろう!」
「今度は簡単にはいかない……」
「ふっ、だがな、不意打ちをかまして来たが、それですら傷をつけられない状態だ……勇者と呼ばれた人間が使う『光の翼』それを一度にクロス状にふたつぶちかますとはな……俺がマモンの時なら今ので手傷を負っただろう! だが、今の俺は軍神なのだ! そんな物は効かぬわ」
え~と。
これ効かないの?
ゼクトお兄ちゃん……これならいけるとか言っていたのに。
「ならば、今度はこっちから行くぞ!」
軍神って凄いな。
ただ殴ってくるだけでこれなんだ。
「聖なる壁よ……僕を守って、ホーリーウオール……グハァッ」
バリンッ
僕がしっかり詠唱して作った聖なる壁も貫通されるのか。
「そんなガラスみたいな貧相な魔法で俺の攻撃が防げるものか! さぁ次はどうする!」
「ハァハァ、アイシクルランス」
氷で出来た巨大な槍がアークスに飛んでいく。
だが、その槍ですらアークは拳で砕いた。
「むん!こんな物は俺には効かぬ!」
こんなの効かないよな……
「こっちが本命、全てを凍らす究極呪文『絶対零度』」
「がはははっ少し寒いな……確かに凄いが、それは人の魔法。神には効かぬ! 堪能した。軍神と戦った名誉と共に死ね!」
ただ頭を蹴られただけで……意識が刈られる……頭がふっ飛ばされたのか。
「えっ……嘘つき」
「俺は嘘などつかぬ! さらばだ!」
周りが暗くなった。
また……僕は死んだのか。
「ハァハァ、なぜ立ち去ろうとしているのかな? まだ決着はついてないよ!」
「お前、なぜ!」
「それより、行くよ! 神×竜×虫×人……融合! ゴッドセレナぁぁぁぁーー」
これが僕が考えつく最強の状態。
「なんだ、その姿は……お前は半神半竜じゃ無かったのか?」
今の僕の姿は竜に似た黄金の鎧を着た戦士に見える筈だ。
そしてその鎧の内側は更に昆虫の装甲を纏っている。
「行くぞ! 軍神アークス! 神剣創造! 」
「なんだ、その禍々しい剣はーー」
僕は素早く走り、アークスを斬りつけた。
「スズメバチの針をモチーフにした剣の毒が効くなら、この剣は更に凶暴な蜂、ドラゴンビィの針をモチーフにした剣だ! どうだ!」
「うがぁぁぁーー焼ける、焼けるように痛い……だが、俺は軍神! 痛みさえ心地よい……さぁ来るが良い」
「この世界の女神の力……そして竜公の力を持つ僕の奥義……竜神剣――っ」
神の力を剣に乗せ、それを竜の力で叩きつける。
これなら、アークスにも通じる筈だ。
「そんな物受けて……うがぁぁぁぁーーっ貴様ぁぁぁーー」
流石に斬れた。
僕の目の前であのアークスが上下真っ二つになって内臓をぶちまけている。
「これで僕の勝ち……えっ! そんなのありなの?」
真っ二つに斬れた体が一瞬にしてくっついた。
「がはははっ俺は軍神だ! 神とは死なない物なのだ! お前だってそうだろう!」
いや、僕は死んでいるからね。
死んで、すぐに此処に戻ってきて戦っているだけなんだけど。
『本当に死なないの?』
ズルいよ……それ。
「それじゃ、何時まで経っても決着がつかないじゃない? どうしたら終わるの?」
「馬鹿かお前は! こんな楽しい時間終わらせるのは勿体ないだろう! 決着がつくまで百日でも千日でもこうして戦い続けようじゃないか!」
「そう……解った! さぁ来い!」
アークスの拳が僕のお腹をとらえたが……
嘘だろう……全然痛くない。
「これに耐えるとは、お前は何者なんだ」
「さぁ」
此処から反撃だ!
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