第176話 剥いちゃいましょう



昨日戦ったUMAは一体なんだったんだ。


まさか異世界にまで来てUMAに出会うとは思わなかった。


異世界のUMAは大変だな。


ネス湖のネッシー。


釧路湖のクッシー。


多分、天敵は居ない。


あんな巨大生物は前の世界なら海でも無ければ敵は居ないだろう。


だが、異世界は違う。


UMAすら捕食する生物が恐らく幾らでも居る。


此処は地球ではなく、異世界。


昔の事は前世の世界程解ってない。


もしかしたら、あの生物も前世で言う『絶滅したような生物』の生き残りかもしれない。


尤もこの世界は印刷技術は発展してなくて書物は手書きの品なので数自体が少なく『恐竜図鑑』みたいに昔の生物を書いた本は見た事無いから…調べようがない。


殺してしまったからには、恐らくバウワー様の元に行っている可能性があるから、会った時にでも聞いて見れば良いだろう。


そんな事より、今は観光だ。


もう、水神と呼ばれるUMAは居ない。


もう湖も安全な筈だ。


さて、まだ早すぎるから…ひと眠りするか…


この体に眠りは必要ないが、一応は睡眠も楽しめる。


◆◆◆


「セレスくん、おはよう!」


「セレスー-っおはよう」


「セレスくん、おはよう」


「セレスちゃんおはよう」



4人が俺が起きる前から顔を覗き込んでいた。


目を覚ました時にこれは。


少し恥ずかしかったが、この瞬間がもの凄く幸せに感じる。


此処は旅館だから4人とも浴衣だ。


ただ見つめられているだけじゃなく。


浴衣という物の着こなし方が4人とも良く解ってないせいか…乱れていて結構エロイ。


胸元と太腿がはだけて何とも言えない年相応の色香がある。


これはこの年代特有の色香で10代の子供みたいな年齢じゃ絶対に無い物だ。


艶っぽいって奴だな。


思わず食い入るように見て顔が赤くなってしまう。


「おはよう…」


「どうしたのかな?セレスくん、赤い顔して」


「本当に顔が真っ赤だよ、セレス」


「セレスさん、顔が赤いわ? 大丈夫!」


「セレスちゃん、どうしたのかな? 目を逸らして」


やっぱり(この世界では)年上って言うのは凄いな。


揶揄うように上目遣いで見つめてくる。


年上のこのしぐさが、案外可愛いく綺麗だ。


最近、どうしたら俺が喜ぶのか考え、楽しんでやっている様な気がする。


「解っている癖に、皆を見たから顔が赤くなったに決まっているじゃないか?」


つい胸や太腿に目が行ってしまう。


「セレスくん、私ただ起こしただけですよ」


「私だってそうじゃない?」


「それにやる事しっかりしているのですから、いい加減見飽きたでしょう?」


「もうお互いに見ていない場所が無い位じゃないかな?」


「そうは言っても浴衣と布団は別だよ。首筋のうなじを見ても色っぽく見えるし、胸も太腿も…その…凄く綺麗で…うん凄く綺麗だよ」


「まったくセレスくん位だよ、こんなおばさんにそんな事言うのは…その凄く嬉しいけどね」


「私は、結構頑張っているけど、それでも良いおばさんだよ?…だけどセレスありがとうね。おかげでまだ女なんだ、そう思えちゃうよ」


「セレスさん、凄く嬉しいわ…こんなおばさんに、まぁ!あらあら…」


「セレスちゃんもしかして? 私達に、凄く興奮しているのかな?」


布団の上で浴衣がはだけた状態で、四つん這いでにじり寄って来られたら、反応しない男なんて居ない。


「興奮…しているよ…当たり前じゃないか?」


「それならセレスくん、遠慮しないでよいわよ!」


「我慢は体に毒だよ! セレス」


「そうね、この旅館は貸しきりだし、もう仲居さんも布団の状態を見て知っているから、恥ずかしがっても無駄よね」


「初日は顔から火が出る位恥ずかしかったけど、慣れは凄いわね」



「それじゃ…」


「そうね、折角だから偶には私達の方からしてあげるわ。セレスくんは動かなくても良いわよ」


目が座っている気がする。


流石に朝から…と考えたけど、遠慮は要らないみたいだ。


「…うん」


駄目だ、こういう時はこの世界での年齢に引き摺られるのか…少年に戻ってしまう。


「それじゃ、セレスくんを剥いちゃいますか」


「「「はーい」」」


そう言うと4人は手早く自分の帯をとき浴衣を脱ぎ捨て、俺の浴衣に手を掛けてきた。


結局、朝食も食べずに貪りあいながらやり続け、気がついたらもう夕方になっていた。



襖越しとはいえ、仲居さん達凄く顔を赤くして困っていた気がする。



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