第148話 【閑話】神竜伝説
私は夢を見ているのか?
これは本当に起きた事なのだろうか?
「教皇様、これは一体…」
まさか、あのマモンが、軍神様が堕天ならぬ堕神した存在だったとは思わなかった。
しかも、セレス様との前の戦いが元で魔族から『神』になっていたとは見ていた私でも信じられない。
今私達が見ていたのは、神話だ。
見ている私でも信じられない。
セレス様が巨大な大きな黄金の竜になり、軍神と戦ったなんて…
この戦いを通信水晶越しでしか見られなかったのが口惜しい。
「ロスマン名誉教皇様、あのセレス様の正体は」
「あのお姿、軍神と戦い死んだ筈なのに蘇ってきた、そんな存在、神話の世界にしか居ません」
「やはり、女神様以外でこの世界に存在する『神の一族』神竜をこの目で見るなんて信じられません」
「凄い筈だ、まさか神竜様だったとはな、それでどうする?」
「ロスマン名誉教皇様、軍神アークス様はもう他の世界に旅立たれました。ですが神竜の一族であるセレス様がこの世界に復活されました」
「そうですね、ロマリス教皇、これからが大変ですよ!現代に現れた『神竜』これからセレス様にお会いして、場合によっては女神像の横にセレス様の像を作ったり、教義の書き換えも必要になるかも知れませんね」
「その通りです。ですが、何をするにしてもセレス様の意見や考えが優先ですよ? 早速参りましょう!」
「ロスマン名誉教皇様?」
「相手は神です!私達自身が赴かないでどうしますか? 他にも大司教の中で来れる者は全員で参りますよ! 相手は『神』なのですからね」
「はい、これは大きな話です。教会にとってもこの世界にとっても」
「その通りです」
聖教国ガンダルはこれを期に大きく動き出した。
◆◆◆
「あれはなんだ!枢機卿…死んだ筈のマモンは軍神として蘇ってきて、セレス様は巨大な黄金の竜になり地形が変わる位の戦いをしていた…夢でも見ているのか?」
「あっあつ、あれは伝説の『神竜の一族』」
「神竜だと!『神』なのかあの黄金の竜は」
「これは教会にのみ伝わっている事ですが、女神様以外にこの世には『神竜』という神がいるという話があるのです。そしてこの世の何処かには『神竜』が治めるという竜の国があるという話もあります」
「それは誠か?」
「あくまで伝説です。ですが、神竜の一族は『死』すら超越しているそうです」
「それは…」
「死んで首だけになっていたセレス様が、蘇った…そこから考えるなら、正に神竜」
「それではセレス様は」
「人間ではありません!『神』の可能性が高いと思われます」
良かった。
マリアーヌを妻として送り、コハネを贈って良かった。
「それで、これから我が国はどう動くべきだと思う」
「恐らく、教皇様達も動くでしょう、すぐに連絡をとり足並みを揃えるべきです」
「これは帝国を出し抜くチャンス…直ぐに行動に移すとしよう」
「はっ」
セレスの考えとは裏腹に二国が動き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます