第18話 ハルカとカズマの本音


「それでセレスは何でこんな事をしたんだい? まさかハルカを揶揄ったわけじゃないんだろう?」


「セレス、これは私でも傷つくわ! どんなつもりでやったのかちゃんと説明して」


「カズマ兄さん、姉さん、俺は...」


「最初に言って置く、お前の返答しだいじゃもう兄弟の関係も終わりだ、ハルカも、そうだろう?」


「当たり前じゃない!カズマくんが来なければ殴っていたわ!」


もう既に殴られていた気もするけど。


完全に俺の横恋慕だ。


二人は凄く仲が良い…終わりだ


だけど、ちゃんと説明位はするべきだろう。


「俺は姉さんが好きだった、でもカズマ兄さんが居たから諦めたんだ」


「セレスー-っあんたね...」


「悪いがハルカは少し黙っていてくれ!そんな事で好きな女を諦められるものなのか? ハルカへの思いはそんな物だったのか!」


「それは違う…カズマ兄さんの傍にいる姉さんは幸せそうだった…だから諦めがついたんだ、カズマ兄さんの傍にいる姉さんは何時も幸せそうに笑っていたし、羨ましい位お似合いだと思ったんだ」


「そうか、まぁ俺もハルカもセレスと一緒に居るのは楽しいし、本当の兄弟だと思っていたよ、なぁハルカは確かに見た目は若いが、リダの母親だぞ…姉さん、兄さんと呼ばせた俺達も悪いが、死んだお前の母親のミルナさんと同い年なんだ、それでも、お前はハルカを愛せるのか?」


「愛に年齢は関係ない、姉さんがもし受け入れてくれるなら愛せる、だけどカズマ兄さんを不幸にしてまでは望まない」


「俺は関係ない! 今はお前のハルカへの思いを聞きたい!」


「俺は愛せます!」


「ハルカはこれから歳をとる、今はまだ若く見えるが、直ぐに婆ぁだ、そんな歳をとったハルカをセレスは愛せるんだな! 俺に約束出来るんだな!」


「約束できます!」


「ハルカ、セレスはこう言っているけど、お前はどう思う?」


「セレスに聞きたいんだけど? なんで私なの? 私は小さい頃、貴方のオムツ迄かえた事があるよ、確かに好きだと言われた事はあるけど、それはセレスがまだチビの時だよね、こんなの普通じゃないって思わないの?」


「なぁ、セレスが30歳、今の俺の歳になった時にはハルカは40代中盤だ、もうお婆ちゃんだ、それでも傍に居たい、愛している、そう言えるのか?」


※この世界の人族の寿命は50~60です。


「俺は…それでも姉さんを愛せる」


「ハルカ、だそうだ…どうする?」


「私どうして良いかもう、解らない、カズマくん」


「それじゃ、俺からの提案だ、今この場でハルカを俺の前で抱いてくれないか…それでどうだ!ハルカが欲しいなら出来るよな!」


「セレスっ後悔するから止めよう…」


「それで、認めて貰えるなら…良いよカズマ兄さん」


「ああっ、見せてみろ」


もう後には引けないな。


◆◆◆


「姉さん…凄く綺麗だよ…」


俺はハルカの首に手をまわし、そのままキスをした。


「うぐっううん、ぷはぁ…セレスやめうぐっ…ハァハァ」



「姉さんは本当に綺麗だよ…」


本当に姉さんは若く見えるし、美人だ。


それだけじゃなく凄く俺に優しかった。


「何! 言っているのよ、馬鹿! その手を離しなさい!」


「ごめん…止めたくない」


「本当に…馬鹿」


そう言いながら顔は真っ赤になっている。


目を逸らす姿が凄く可愛い。


俺はハルカを引き寄せキスをしながら手を太腿の内側に滑りこませた。


「やめ..ンぐっ! カズマくんの前なのよ! やめなさい!」


「ゴメン姉さん…俺、姉さんを諦めきれない」


「馬鹿…本当に馬鹿…いつか必ず後悔するわ…絶対に!」


「しないよ…」


バシッ


「姉さん、痛い…ゴメン…嫌だった?」


「情けない顔しないの…嫌じゃないわ、少し落ち着きなさいね、本当に後悔しないのね!」


「後悔なんてしない」


「解った…拒むのを止めるから…ほら、んぐっ」


ハルカが自分からキスをしてきた。


そのまま俺はハルカのズボンとパンツを手早く脱がした


カズマさんが居るから上半身は脱がさない。


「いや、駄目、こんなの恥ずかしい…セレスちょっとダメダメダメ…ダメだって…もうあぁぁぁぁぁー-セレスダメ、駄目、カズマくんにカズマくんに見られてるのよ」


口ではそう言いながらもハルカは俺を受け入れてくれた


◆◆◆


行為が終わり周りを見るとカズマは傍に居なかった。


「セレス…本当に私を愛してくれるのよね? こんな事されたら私はもう駄目…違うなんて言ったら!」


バシッ


「姉さん痛いよ」


「馬鹿、すぐに愛しているって言わないからよ」


「愛してるよ姉さん!」


「うん、宜しい」


何だか様子が違う…どうしたんだ。


「ハルカ、もう終わったのか?」


「カズマくん…うん」


「良かったな」


どういう事だ? 理解ができない!


◆◆◆


「セレス、騙すような事をして済まなった、この通りだ」


いきなりカズマに謝られた。


「カズマ兄さん、これはどういう事?」


「いや、試すような事をして済まなったな、元からセレスが望むならハルカは譲るつもりだったんだ」


「どういう事? 二人ともオシドリ夫婦みたいに仲が良かったと思っていたけど違うの?」


「それは間違ってないよ、カズマくんとは幼馴染だし、今だって仲は良いから」


「そうだな、多分この世界の男女では仲が良いと思う…ただセレスが思っているような感じとは違うな」


「確かに幼馴染だし、夫婦だからいつも一緒にいたけどさぁ…その、カズマくんとはもう10年以上レスだよ」


「まぁ弟みたいな物だから言うが、セレスの兄さんを名乗った時にはもう、そういう関係じゃなかったんだ、うちはリダが生まれたからハルカは妻の役割も果たした、勇者パーティになったから跡継ぎは居なくなったけど…もう一人とは全く考えなかったんだ」


「そうね、リダを産んで、そこでほぼ恋愛は終わり、私は若く見えるけどもう…いいおばさんだからね女としては終わりな歳なの、それなのにセレスは、もう驚いたわ」


「だから言っただろう? セレスは今でもお前が好きだって」


「馬鹿…普通信じられないわよ! こんな若い子が私を好きだなんて…」


「そうか?5歳の時ですら、良くお前に抱き着いていただろう…男の目していたよな…セレス」


「まぁ…恥ずかしいけど、カズマ兄さんの言う通りだよ」


「ほらな、此奴は俺が知っている限りでも10年もお前が好きなんだ…これで安心しただろう」


「うん」


「確かにハルカとは男女の関係はとっくに終わっている…だが大切な友人で幼馴染だ…だからこのまま生活していても良い、そう思ったし、不幸にするような奴にはやらない、だが弟のように思っているセレスだからやるんだ」


「ありがとうございます」


「ハルカももう良いだろう? お前相手にしっかり興奮してたじゃないか…安心してセレスの所にいけるだろう」


「セレス…本当に後悔しない? 私、貴方の死んだお母さんと同い歳だよ? 良いの...」


「俺小さい頃から姉さん好きだもん」


「しかたないな、本当に重度のババコンに育っちゃったね…不束者ですが宜しくお願いいたします」


「こちらこそ宜しくお願いいたします」


「しかし、セレス、静子といいハルカと言い本当に昔から年上好きだよな…やはり小さいときに母親を亡くしたからか?」


「そんな所かな、俺の目からみたら姉さんは凄く若くて綺麗だよ」


「馬鹿…本当にセレスは…もう」


バシッ


「痛い」


「あっゴメン」


「本当に凄いな、まさかこの後、サヨやミサキにも手を出すのか?」


「流石に二人いれば充分だよ! 確かに二人とも美人だけど、そんな沢山の妻は無理だからね」



「そうか…だがお前は凄いよ…適齢期を遥かに過ぎた女全員を美人だっていうんだからな」


「カーズーマーくん、最後にお話ししようか?」


「冗談だ」


「そう言えば静子は今日どうしているの?」


「静子さんなら、今日はサヨさんとミサキさんと飲むって言っていました」


「そうなの? セレス…多分だけど、貴方のお嫁さんは4人になるかも知れない」


「おい、どうしてそうなるんだ? セレスは2人で充分だって言っているだろう」


「昔の約束を思い出したのよ…まぁ解らないけどね」


「まさか、それは無いでしょう? それでカズマ兄さんはこれからどうするんですか?」


1人で食堂をまわすのは大変だろうな...


「まぁハルカも居なくなった事だし、直ぐにじゃないけど王都にいこうと思う、若いメイドに出来る奴隷でも買って、こじゃれたカフェでも経営するつもりだ」


「良いですね…ですが資金はあるんですか?」


「まぁ、少し心もとないがどうにかなるさ」


俺は収納袋から金貨100枚を取り出した。


「カズマ兄さん、良かったらこれ使って」


「いや…これは受け取れない」


「俺は弟みたいなものでしょう? 弟なら兄の夢の手伝いをするのは当たり前じゃないか」


「そうか…解った受け取るよ」


「これで解ったでしょう、カズマくんは若い女の奴隷を買うみたい…私達の男と女の関係はもうとっくに終わっていたのよ」


「そうだね」


男女の関係は終わっていても『家族』としての関係は終わっていない筈だ。


カズマからしたら娘を嫁に出す…それに近いつもりでハルカを俺にくれたのかも知れない。


「カズマ兄さん、俺、姉さんを絶対に幸せにするよ」


「ああっ頑張れよ」


「はい!」


俺はハルカの手をとり定食屋カズマを後にした。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る