空の独り歩き
代代
第1話 「に」
人間と人間が戦うのはなぜだろう。国と国が戦うのはなぜだろう。
命を懸けて戦うのは動物だけでよくないか?
絶対的に違う知能を持ったくせに人間はまだ何かを突き詰めようとする。
そんな人間たちに、お空の上の神様は、またおもちゃを与えた。それも最近のこと。
人間はまだ進化できるのかと呆れたものだ。
ちょうど私が生まれる10年前くらいに現れた最初のソレは昔で言う超能力者としてメディアに取り上げられ始めた。それはそれは世界的ブームになったらしい。ただ、その1年後にはソレが当たり前に存在するようになっていた。と言っても確率は、例えば、宝くじの一等が当たるくらい。例えば、初恋の人とそのまま結婚できるくらい。
世界は早急に制度を固めた。歴史上、奇跡的に機能した政治であったと揶揄する学者もいるくらい早急であったらしい。
ソレを世界は「Nmember's(N’s)」と名付け、全員の連絡先の把握、国ごとの制度確立、管理チップの携帯義務等を徹底した。この時代には差別なんてものはタブーであったものの、多少の僻み、嫉妬は渦巻いていた、というか今になってもそれは残っているので、当人たちはあまり公にしないのがマナーであった。
私が生まれる10年前から10年経ち、そして私が生まれて22年経った。
まだまだ人間は人間と戦うことをやめてはいなかった。
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