後悔
健さん
第1話
俺は剛。そして小学生からの幼なじみの親友のユウジ。子供の頃は家も近かったこともあってほぼ毎日一緒に遊んでいたものだが、社会人ともなると、仕事も違うし中々一緒にということは、少なくなったが、ある時、携帯電話にユウジから連絡が来た。一緒に飲もうと。そして近所の居酒屋で飲むことになった。「ユウジお前顔色悪いな。」「実を言うと介護疲れだ。」「介護疲れ?」「お前には、黙っていたが、母親がもうだいぶ前から、心臓を患って、しかも認知症なんだ。それに、かかりつけの医者は、心臓のほうがだいぶ悪いみたいで、もって、半年と宣言されて、俺も参っちゃった。それで、お前の顔も見たくて、飲みに誘ったのさ。」「そうか。それは大変だな。お前も水臭いな。言ってくれれば、なんでも協力するぜ。」「ありがとう。その時は、頼むよ。」俺たちは55歳。俺も両親は、もういない。ユウジも父親を2年前に亡くしている。同級生も両親揃ってる人は、何人かいるだろうが、ほとんどは、片親か、俺みたいに両親を亡くしているのが、ほとんどだ。そうゆう年代なのだ。ユウジと居酒屋で一緒に飲んだ日から3か月が経った。あのとき、ユウジは”余命6ヶ月と言っていたが、3か月で亡くなった。俺は葬式を手伝い、ヤツは、かなり落ち込んでいたので、なるべくそばにいてやった。無理もない。最愛の母親だったからな。ユウジは、日に日に瘦せていくのが、わかった。ちゃんと食べてるのかな。俺と同じで、今じゃ独身者だが。顔も青白い。そして、何か嫌な予感がして、仕事を終えてユウジの家に行った。「ユウジいるか?」玄関が、開いていたので、中に入ると、俺は、力が抜けてひざまづいてしまった。ユウジが!ユウジが、自殺?首吊りだ。俺は、すぐさま警察に通報した。それからというもの、俺は、ショックで、鬱状態になった。医者に何種類の精神薬を出してもらい、服薬しているが、一向に良くならない。仕事もよく休むことが、多くなった。今日は大丈夫そうだということで、何日かぶりに会社に。俺は、同僚から白い目で見られながら、ちょとした仕事を任された。”名誉挽回”とばかりに張り切った。しかし、やはり”正常”ではなく、大きなミスをしてしまった。しかも会社に大打撃を与えてしまった。その日から、皆から、”村八分”にされた。裏では俺の悪口、陰口のオンパレードだ。ある時会社に出社すると、俺の机がない。そう、”窓際族”に回された。辞めろとは言わないが、辞めろと言ってるようなものだ。”これ”がきっかけで、前より、鬱が、進行した。当然会社は休眠状態。家に引きこもりだ。もう何もする気にもなれず、もう寝ているしか方法がなかった。そして夢にユウジが、出てきた。(そんなに辛いなら、”こっちに”来いよ。)(ユウジ!!)俺は次第に”あの世”に行きたくなった。そう、死にたい願望が強くなったのだ。俺は、6種類の睡眠薬を手に入れ、飲んで生死をさまよった。あれ?ここはどこだ?ひょっとしてこれが、三途の川?すると、”向こうの岸”にユウジがいるではないか。(おーい!ユウジ!)すると、ヤツの前に赤鬼?が現れて、針千本?飲まされてるじゃん。俺はすぐさま向こうの岸に行ってヤツを助けようとしたとき、俺のじいちゃんが、現れて、(剛、行ってはいけない。ユウジ君は、かわいそうだが、自殺したから、”罰”を与えているのだ。自殺は、してはいけない。まだ、お前の”使命”は、終わってないし、まだ、こちらにくるには、早すぎる、早く戻りなさい。)すると、俺は、息を吹き返した。夢か?夢じゃない。幽体離脱で”あの世”を見てきたのだ。やはり”あの世”は、あるのだな。ユウジ成仏してくれ。おじいちゃんが言っていた使命ってなんだろう?この世を全うすることだろうか。そうだ、何があっても自殺行為はだめだな。頑張って寿命がくるまで、生き抜こう。俺は、会社を辞めてハローワークに向かった。
後悔 健さん @87s321n
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