変化の始まり(序詞)

第1話 平和と変化

木の上にとまっている鳥は鳴きながら世界の平和を歌った。

「世の中が平和だからいいね」

庭を歩いていたヘリウスは鳥の鳴き声を聞くと言った。

庭には見事に咲いた花がたくさんあった。

ヘリウスはきれいに咲いた花に近づいて、花のにおいをかいだ。

「平和だね」



ヘリウスが平和を楽しんでいるときに空から1人天使が降りてきた。

「ヘリウス様、ウラノスさまのご伝言です」

天使は急いで降りてきてヘリウスに告げた。

「今回の会議には9人の神様全員が参加するようにとのことです。

必ずおっしゃりたいことがあるそうです。

それでは私はほかの方にも話さなければならないので行ってみます」

降りてきたばかりの天使はヘリウスの言葉が終わると急いで立ち去った。

「あいつはいつも忙しいね。

でも、必ず参加しろなんて、何かあったのか?」



しばらく天使の言葉に悩んだヘリウスはすぐまた庭を歩き始めた。

庭を歩いていると、時間はいつのまにか昼休みに近づいた。

「今日は9神様たちと昼食があった日だったと思いますが

今日はたぶんベテルゲウス邸で会うんだっけ?

創造命令:空間操作ディストーション



ヘリウスの神聖魔法がヘリウスを一瞬にしてベテルゲウスの豪邸前に移動させてくれた。

彼はベテルゲウスの豪邸の大きな黄金色のドアの前でベルを鳴らした。

鐘の音が大きく響いた。

「ヘリウス様、いらっしゃったんですね

皆さん、もう来ています」

ベッテルゲウスの専担執事コノテルが巨大な扉を開けてヘリウスを迎えた。



ヘリウスは急いで長い廊下を通り、みんなのところへ行った。

「ベテルゲウス、今日は君たちの邸で食事をする日だったよね」

ヘリウスはぎこちなさを軽く冗談で話した。

「なぜこんなに遅れたの。

もうすぐだよ」

ベテルゲウスはヘリウスをにらみつけた。

「ごめん、ごめん。 庭園を歩いていたら…」

ヘリウスはすまない気持ちでぎごちなく笑いながら話した。

「ヘリウス、どうしてこんなに遅いの」

シリウスもベテルゲウスのようなことを言った。

「ごめん、シリウス。 庭を歩いていたら時間がとても経っていたよ。 見逃してくれ!」

「君はいつも庭で過ごしていたよ」

「当然だ。

この世界が平和だということを自ら感じられるのに」

ヘリウスは笑って席に着いた。



ヘリウスが座ると、ベッテルゲウスは執事に合図した。

合図を受けると、執事はメイドのところに行き、徐々に食べ物が出始め、食事が始まり、神々の間で多くの話が交わされた。

食事をしている最中に、ベテルゲウスが口を開いた。

「そういえばヘリウス、今回は父上が なぜみんな参加しろというのか理由知ってる?」

当然、天使の伝言を聞いたベテルゲウスはヘリウスに聞いた。

「私もよくわからない。父上の考えはわかりにくいじゃない」

「でも父上はお前が一番好きだから、当然知っているんだと思った」

どんな信徒のウラノスがなぜ呼んだのか知らないまま昼食は終わった。



昼食が終わった後、9人の神々は一人二人とすべきことのために行き始め、ヘリウスもまた自分の邸に戻った。

「お庭でも歩こうか?」

その時、ヘリウスの専担執事コノウスがヘリウスのもとへやってきた。

「ヘリウス様、今日は下界にいらっしゃるとおっしゃいませんでしたか」

「ああ、そうだ。 忘れてた。 ありがとう」

忘れていたことをコノウスのおかげで覚えているヘリウスは急いで中に入った。

ヘリウスは急いで自分の部屋に帰った。

「創造命令:人間擬態ポルティオ

神聖魔法で神の姿から平凡な人間の姿に変わった。

「こんな姿なら、きっと、普通に下界を楽しむことができるだろう」

自分の姿を鏡で見ていたヘリウスは満足そうに話した。



ヘリウスは自分の部屋から出て階段を下りながら出て行く準備を終えた。

「じゃ、行ってきます」

「行ってらっしゃい。 ヘリウス様」

皆やっていた仕事をやめてヘリウスにあいさつをした。

「創造命令:界之移動デケンドー

ヘリウスがその邸のドアを開けると、その邸のドアは都心にある建物とつながっていた。

ヘリウスはその邸の外に出るときにドアを閉めた。



「リンゴを奢ってください」

「今日獲れた魚が新鮮ですよ」

「質のいい武器を買ってください」

都心は商売人と品物を買う人でごった返していた。

ヘリウスは姿を変えてしまったので、ほかの人にとっては平凡な人のようだった。

昔、一度も擬態せずに降りていったことがあったが、神なので下界に降りると生じる後光のため、皆がヘリウスが神であることを知り、人々に捕まった悪夢があった。

「ああ、幸い誰も気づかないのね」

ヘリウスがだれも気づかないことをほっとしていたとき、彼の鼻をくすぐるようなとてもおいしそうな香りがした。

ヘリウスは香りのところにパン屋があった。

どれも焼きたてのパンでとてもおいしそうだった。

ヘリウスはためらうことなく1枚のパンを取って従業員のところに向かった。

「このパン、ください」

「15銅貨です」

ヘリウスは人間にお金を払って出てきた。

彼は都心を歩きながらパンを食べ歩いた。

「やっぱり人間が焼いたパンは神界の食べ物とはまた違うね」



パンのおいしさに感動して歩き回る ヘリウスは路地を行くことになった。

路地には子供が1人の男の子に囲まれていた。

「お金ないの?」

険しい顔つきのおじさんが子供に意地悪そうに話していた。

「私、本当にお金ないんです」

子供は恐ろしさにふるえながらやっと言った。

子供の話を聞いた男は顔をさらに小さくし、彼の懐にある小刀を見せながら言った。

「兄さんたちが一番嫌がるのは嘘つきなんだ。

また聞くよ。 本当にないの?」

まるで最後のチャンスを物語るように話し、子どももそう感じた。

「本当にいません」

子供が涙を流しながら言うと、男はこれ以上聞き入れようとしないように懐から刀を流そうとした。

「みんな、やめたほうがいいよ」

その場面を全部見ていたヘリウスは彼らに話した。

「おじさんは誰?

見逃す時、そのまま行って」

男は後ろを振り返りながらヘリウスを睨んだ。

「私の話をよく理解していないようだから、もう一度言ってあげる。

その子を解放して、そのまま行くようにして」

ハリウスの変わらない返事を聞くと、男はナイフを抜いてヘリウスに近づいた。

「お前たち、しっかりつかまえていろ。

先に叱らなければならない人ができたみたいだね」

「わかりました 、兄貴」

周囲の男たちが子供をつかまえた。

「死ね!」

その男はヘリウスのところに駆け付けた。

「遅い」

とともに、瞬く間に、男は地面に横たわっていた。

「とんでもない」

男は小さな声で言って気絶した。

「じゃ、お前たちも」

ヘリウスは恐ろしいスピードで他の相手を打ちのめした。

「うぅ…」

ヘリウスは子供の様子を見るために近づいていった。

「ちびちゃん、 だいじょうぶ?」

子供は驚いて話した。

「うん。でもおじさん本当に強い。 おじさん、もしかして神様?

なぜならお母さんがいつも神々が私たちを守りながら 悪い人たちを叱ってくれると言ったんだよ」

子供の言葉にヘリウスは内心驚いたが、表では笑いながらその子に話した。

「今日見たことを誰に話してはいけない。 分かった?」

ヘリウスの微笑みに、子どもも笑って「分かった」と話した。

ヘリウスは子供が無事に路地から出て大通りに行くのをじっと見つめた。

子供が大通りに入ろうとしたときに後ろを振り向くとヘリウスは笑って手を振った。

子供も大きく手を振って、「ありがとう」と言って、人込みの中から徐々に消えていった。



子供の姿がもう見えなくなると、ヘリウスはあたりを見渡し、誰もいないのを確認し、安心して言った。

「やっぱり人間は興味深い。 子供たちは勘がいいんだよ。

じゃ、今日はこの辺で帰ろうか」

ヘリウスは自分の正体がばれそうになると、微かに疲れた様子で神界に戻った。

神界に戻った時に神界はもう夕方になっていた。

「長くいすぎたかな?」

ヘリウスはもしも執事に会うと叱られるのを恐れて自分の部屋にこっそり入ろうとした。

しかし、部屋に入る直前に、執事と目が合ってしまった。

「ご主人様、今来られましたか?」

執事はさりげなく話していたが目には怒りの色が見えた。

「うん、帰って来たばかりだ」

ヘリウスは慌てて彼に話した。

「ヘリウス様、いくら今は平和な時期でも緊張を緩めてはいけません。

世界がいつ、どのように変わるかは誰にもわかりません」

「わかった。 ごめんね」

執事の小言が長くなると彼は反省の表情を浮かべながら部屋に入った。

「とにかく心配が多すぎる。

こんなに平和な世の中なのに」

ヘリウスは自分の部屋の本棚に並べられた混沌時代に書いた日記を広げてみた。

「この時が本当の混沌だった…

これからは平和になるだけだ」

彼はそう言って、ベッドに横になり、ゆっくりと目が閉じ始めた。



彼は夢で混沌時代の記憶を回想した。

神を殺した最初の人間…

1人の神が殺される状況を彼に見た。

「だめ!」

これと共にヘリウスは夢から覚めた。

ヘリウスは荒い息を吐き出していったんほっとした。

「夢だったんだね…」

その時、ドアの外でドアを叩く音が聞こえた。

「ご主人様、お起きになりましたか?」

「うん、起きた。 すぐ下がるよ」

ヘリウスは冷や汗をかきながら話した。

「わかりました。 それでは食事を用意します」

ヘリウスは側にあった日記をはずして、服を着替えて部屋を出た。

彼は朝食をとりながら執事に尋ねた。

「今日の日程はどうだったっけ?」

「今日は創造神ウラノス様が主催した会議に参加していただきます」

「あ、もう今日だっけ?

父上、本当に何のために皆を集合させるんだろう?」

彼はつぶやきながらパンを食べた。

彼が見ていた新聞には最近下界に伝染病が出回ったというニュースを見た。

「下界に伝染病が回り人間死亡率が増加したと…」

「ご主人様、ゆっくり新聞でも読みながら食事なさってはだめです。

本日の会議は創造神様自ら主催されるだけに、早めに準備しなければなりません」

「わかっている」

ヘリウスはしかたなく食べていたパンを素早く食べて立ち上がった。

「それじゃ、準備してみようか?」

ヘリウスは自分の部屋に上がり、神々が会議をする時にだけ着る衣服を着た。

「本当にこの服はいつも邪魔だね」

彼は不満をぶちまけて服を着た。

「ご主人様、やはり服がよくお似合いですね」

「そうなの?邪魔ばかりしているようだが」

「ご主人様!」

執事がせき立てようとすると、ヘリウスは直感でもしたかのように急いで言った

「分かった」

ヘリウスは笑いながら話した。

「それじゃ、行ってきます。 みんな今日一日も頑張ってね」

「いってらっしゃい。 ヘリウス様」

ヘリウスは皆の挨拶とともに門を開き、世界の主である創造神ウラノスの宮殿である創造の宮門の前に到着した。



華麗で巨大な扉を開けて入ると、天使たちがヘリウスを迎えてくれた。

「ヘリウス様、いらっしゃいましたか。

ヘリウス様さえいらっしゃれば皆いらっしゃいました」

「ごめん、アリエル。 今、早く入るよ」

ヘリウスは急いで会場に向かったヘリウスは会議場のドアの前で、「父上が果たして何を言うだろうか」と悩んだ末、入っていった。

「来ないと思っていた。 ヘリウス」

イザールがうれしそうに彼を迎えた。

「ごめんね。朝食がちょっと遅くなった」

「ヘリウス、また遅刻か。 父上はあんなに余裕のある子が何がいいと…」

ベテルゲウスは嫉妬したように語った。

「ごめんね。これからはもっと早く来るよ」

ヘリウスは笑ってごまかした。

その時、壮大な太鼓の音が創造宮に大きな音で響いた。

創造神ウラノス様がいらっしゃいます。

全員立って礼を尽くしなさい」

天使の言葉とともにドアが開いて強い光を放った。

その光の中には世界の主である創造神ウラノスがその姿を現わした。

「 父上、お元気ですか?」

ベテルゲウスは創造神ウラノスに尋ねた。

「うん。元気だった。 みんなその程度で席に座りなさい」

しかし、9神はウラノスが席に着くまでずっと礼を示していた。

「まったく。とても礼儀正しい」

ウラノスが笑って席につくと、9神も一人二人と座り始めた。

「みんな元気か?」

「はい。私たちはみんな元気です」

みんなが同時に答えた。

「そうか、それでは今日私が君たちを呼んだ理由について話す」

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