Welcome to Pinky World
鏡も絵
プロローグ
あのね、私、最近なんか異世界の夢をよく見るんだ。
いやジョークとかじゃなくて。
そんないきなりって……ちょっとでもリラックスさせてあげようと思ったんだけど。ほら、突拍子ないほうがいろいろ吹っ飛ぶし。まあいいや、とりあえず聞いてよ。
あー……待って。どこから話そうかな。
すごく変な世界だからどこから説明すればいいか迷う。
えっとね。まず最初に、その世界はすっごいたくさんの人間がいるの。あちこちに散らばって過ごしてる。なんか地域に分けられてるのかな……《アメリカ》ってところが一番大きいところ、だと思う。あと《ロシア》とか《中国》とかもよく聞く。《日本》とか、もっともっといろんな場所があるみたい。にしても変な名前だよね。
それから、なんか真上に炎の塊が浮いてる……いや本当に、私もよくわかんないんだけどさ、所詮は夢の出来事だし。炎の塊って言えばいいのかな……見るかぎりはすごい小さいんだけどそのくせびっくりするくらい明るくて。よくわかんないけど、その世界を照らしてるらしい。定期的にいなくなるんだけど、その消えた時間のこと夜って言うみたいだから、多分その塊は
おかしなことと言えばその異世界に住んでる人間ね! 見た目とかじゃなくって。見た目は私たちとなんにも変わんないから。
でも異世界の人間たちには
あっ、ないってわけじゃないんだけど……私たちと違って、心臓は皮膚の下にあるの。内臓みたいなかんじで見えないんだ。どうやって
なんかもうわけわかんないよね。よく生きてられるな、っていうか。
だーが、驚くのはまだ早い。とんでもないのはここからだよ。
なんとね、その夢の中の世界には、ピンキーがいない。
……流石にこれは驚くか。夢の中とはいえピンキーがいないんだもんね。でも、だから心臓が体の中にあって、幸福彩度を見なくてもいいんだと思う。関係ないってこと。
ああ、ピンキーがいないわけだから、私たちみたいな訓練生やマカ教官みたいなプロのひともいないよ。一部では銃を扱う地域もあるけど、それはピンキー用じゃなくってもっと別の用途で…………え? いいなって? ……ああ、ピンキーがいないことがか。
素敵?
……そうだね、でも——おっと、わかってますってば、教官。
あーあ、叱られちゃったや。ごめんごめん。準備はもうできた? オーケイ。私もいつでも大丈夫だよ。
試験前なのに緊張感なさすぎ? キハの顔色が悪かったから気を紛らわせてあげようとしたんだよ。これは大事な試験なんだから。そうだよ、ああもう、弱音吐かないの、私がついてるから。あれ? なんでそんな心配そう……ああ、キチガイじゃないから夢の話だから。大丈夫、わかってるって。
じゃあ、いこうか。
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