夜景を撮ろう
写真というモノは、光を記録して画像に変換しているので、暗いものを写すというのが苦手です。それを今回は綺麗に撮ってみましょうというのが今回の趣旨となります。
ひとことで言ってしまえば、『三脚を使え』ですね。
光量が少ないので、十分な明るさを得るためにシャッタースピードが長くなります。綺麗に撮るには手振れしないように三脚に据えて撮影する必要があります。とはいえ、三脚が使えないシーンは多いかと思いますので、他に使える方法はないか挙げていきましょう。
『手持ち夜景モード』なるものがありますが、あれはISO感度を上げて手振れしない程度のシャッタースピードで撮れるようになっているだけです。ISO感度が上がるのでノイズが入り、綺麗には写りません。
手振れしてしまえば何が写ってるかわからなくなるので、ISO感度を上げてノイズまみれのほうがまだマシな写真となります。一昔前のカメラから搭載され始めたと記憶していますが、これもデジタル処理が進んで、ISO感度を上げてもノイズが出にくくなったおかげでしょうか。
シャッタースピードを長くするとISO感度を下げられますが、今度は手振れする可能性が上がります。一般的には以下のシャッタースピードより遅いと手振れしやすいと言われているようですね。
1 / (焦点距離) sec
50mmレンズであれば1/50sec、200mmレンズであれば1/200secといった具合です。望遠になればなるほど、少しのカメラの動きで写る範囲が大きくずれますのでこのようになっています。カメラの自動制御もだいたいは、上記のシャッタースピードより遅くできなければISO感度が上がるようになっているはずです。
ということで、広角レンズを使う方が暗い場面には強いと言えるでしょう。
この場合の焦点距離は実焦点距離ではなく換算焦点距離なのでお間違いなく。あと実際にブレるかどうかは撮る人の技量にもよりますので悪しからず。
他にもできることを挙げていきましょう。
①明るいレンズを絞り解放で使う
取り込める光の量が多いので、シャッタースピードが速くなりISO感度が下げられます。
②手振れ補正ありのレンズを使用する
ある程度シャッタースピードが遅くても手振れになりにくいです。ただし、明るい単焦点レンズには手振れ補正がついていないことも多いのでお気を付けを。カメラボディ側に手振れ補正機能がついているものもあるので、そちらを活用してもよいでしょう。
ただし、カメラの自動制御は手振れ補正のことを考慮してくれません。手振れ補正ありでもなしでも下限のシャッタースピードは変わらないので、できるだけISO感度を下げたい人は、シャッタースピードとISO感度をマニュアルで設定する必要が出てくるでしょう。
③露出補正をマイナスにして暗めに撮り、現像時に明るくする
RAWで撮影できるカメラで使える方法でしょうか。ISO感度を上げるよりは、あとから現像ソフトで明るくしたほうが、ある程度ノイズが減らせる傾向にあるようです。実際に比較したことはないので程度のほどはわかりませんが。
④その場にあるものを利用する
三脚が使えない場合は、代わりになるものを代用しましょう。手すりなどにカメラを置いたり、何にしろカメラを固定できればいいのです。
⑤カメラを撮る時の姿勢を考える
両脇を締めてカメラを構えましょう。ファインダーを覗くカメラであれば、両手と額の三点でカメラを固定できるのでなお良しですね。首からぶら下げているカメラのストラップをピンと伸ばすのもありでしょう。両腕と首で固定できます。
カメラを構えている肘を手すりの上に乗せたり、膝立ちしている自分の膝の上に乗せるのもよいかと思います。
以上が手振れをできる限り抑える方法となるでしょうか。
では逆に『あえて手振れしまくって撮る』とどうなるか考えてみましょう。普通に手振れした写真は何が写っているかわからないだけで面白くありませんので、盛大に手振れさせてみましょう。
光がぐにぐにと軌跡を描いて写った写真というのも、これはこれで逆に笑えて面白い写真になったりします。
これを応用すれば、露光中にLEDライトをカメラの前で動かして文字を書いてみるということもできます。
また露光中にズームさせる手法もあります。SF映画の宇宙船ワープ中みたいな写真が撮れたりします。
もちろん露光中にピントを動かす方法もありですね。花火やイルミネーションの撮影などで使うと幻想的な写真になりますよ。
さて、今回の『夜景を撮ろう』はいかがだったでしょうか。一口に暗い場面を撮るといっても色々な撮り方がありますので、皆様も色々と試してみてください。
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