3. きっと、上司。

「あ、あのぉ…」

『目の保養、大事』

 みわさん、何でそんな大胆な服で登場するんですか。

「ありがとうございます」

『実際、見せようか?』

「遠慮します」

『あら、残念』

「だって、年配の方ですよね?」

『その口、利けなくしましょうか?』

「やはり、それなりに若い方が魅力的なので…」

『ロルくん、私がババアって一言も言ってないんだけど?』

「ん?前に言ってましたけど…」

『ん?言った記憶がありませんけど…』

「ほら、飲み雑した時に…」

『あー、あれ、ね。ピチピチの50代って言ったの、憶えてたの?』

「当たり前じゃないですか」

『そういう記憶力、もっと会社で発揮して欲しいよね』

「何か言いました?」

『いえ、何も…』

 よし。終わった。と呟くみわさんはことごとく清楚な服にチェンジしていた。

『こういう服の方が好きそうよね』

「服はどうでもいいですね」

『ちょ…、と、確かにそうだけど、さ』

「脱がせる過程ですよね」

『じゃあ、下着は大胆な方がいいって事ね…』

「ちょっと何メモってるんですか」

『ロルくんを狙ってるコに情報提供をしようかと…』

「誰ですか?」

『それ言うと個人情報になるので…』

「俺の個人情報は無視ですかっ」

『そうだねぇ』

「酷い」

『言っていいなら言うけど…』

「いや、やっぱり聞きたくないです」

『じゃあ、明日。お楽しみに』

 バイバイ。と言って終話したみわさんに、素早くメッセージを送った。

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