第8話 ゲートと小説の冒頭が似ている
競馬レース開始時に馬達が白い枠の中へ入り、出走する場面はテレビニュースなどで見たことがあるだろう。
発馬機や、スターティングゲートと呼ぶらしい。
通称ゲートと呼ばれるそれだが、それにも競走馬は練習と試験があるのだ。
そりゃそうだ。
まず馬は、人間の作った鉄柵の中に押し込められそうになるのだから怖いに決まっている。しかもそこから突然ゲートが開いて勢いよく走らなければいけないと教育される。
言葉が通じないのにだ。
まともにスタート出来ない馬もハプニング集で動画にも上がっているし、更にそこから速く走る練習なのだ。
人間も馬も大変である。
競走する戦いである異常このスタートダッシュの違いで数秒差が出てしまう。
秒の差でその戦いの運命も分かれてしまう程に重要で、【逃げ】や【先行】が出遅れればそのロスを補う為に序盤から体力を消耗するうえ、そもそも前に出れずにそのままレースを終える場合も考えられる。
体力消耗と位置取りが重要な【差し】もスタートで前に出てしまえば、前列陣のプレッシャーを与え、後は自分のペースで走って行けば良いので有利になれる。
問題の【追い込み】も後続で言い訳では決してないので【差し】と同じくスタートが切れた方が良い。
有名な追い込み馬で、ゲートの中で何故か立ち上がり観客達の約120億円分の馬券を紙切れにした事件などもありました。
レースにおいて出遅れて良い理由は無いということです。
小説に関してスタートダッシュの話をする場合、カクヨムやWeb小説界隈の話になると「タイトルが」とか「キャッチコピーが」とか「あらすじが」とか、そもそも書いた小説を発見してページを開いてもらう方法論からの話になるかと思います。
それもWeb上では大事ですが、公募も絡まる話だとそこに自分の才能と時間は費やさなくて良いと思います。
なので、今回は「小説の中身」のスタートダッシュということにします。
恐らく耳にタコが出来る程聞いたと思いますが、読み始めの数行が面白いかどうかでその作品を読むか読まないかを読者が決めるのが現状のWeb小説にあります。
そして読むにあたるモチベーションの初期位置が決まると思います。
まあ簡単な話、最初から面白くしろよって言う読者の無意識が働いている訳です。
これに関して、やはりスタートダッシュが得意な作品形式の【逃げ】と【先行】が有利に働きやすく特に前に記載したWeb形式は【ダート】に似ているということで【ダートは前列が優位】の競馬業界と重なるようになってきます。
後方陣営の【差し】【追い込み】は好スタートを全力で取りに行くか、思いきって【先行】の構成で作品を作る方法が良いと思います。【追い込み】はかなりの不利を強いられため、本当にマンパワーと努力を作品の末脚に全投入し直線一気してファンを作るしかありません。
逆に公募(芝)では、審査員が確実に読むため、尻すぼみになりやすい【逃げ】の形式は最後まで意識しないと評価シートでズタズタにされると思います。小手先は通用しないと思った方が良いのでWeb小説のノリは捨てた方が良いと思います。
一般書層は【先行】や【差し】の作品が評価されやすく、【追い込み】もWeb小説より評価されやすい可能性が高いです。
やはり1人のプロが確実に読むという点がスタートダッシュを少し誤魔化しの効くような気がします。
スタートダッシュが出来れば完璧ですが、もし苦手という場合は、確実に評価出来る人間が1人いる戦場を選ぶのが良いのではと思います。
もし公募がハードル高いといった場合は、確実に読んでくれる知人に頼むのが練習となり、最善だと思います。
特に自分の脚質を知ってたうえで、冒頭だけ読んで期待感があるかなどのゲート練習の積み重ねが有力だと考えてます。
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