第6話

 博士は、にやりと笑って助手に言った。

「大雪を降らせて、世界を氷河期にしてしまうかい?」

 設計図を見せると、助手はそれを受け取った。

「氷河期にすると、世界は滅びますか」

「生き物が住めないくらい、極寒にしてしまうのだ。これはいい案だぞ」

 博士は上機嫌でいるが、助手は冷静に分析する。

「確か地球って、大昔に氷河期がありましたよね」

「ああ」

「世界、滅びていませんが?」

「なんと……!」

 盲点だったと言うように、博士は頭を抱える。

「そうだった……この世界は、もう氷河期を乗り越えているんだったね……」

「この案も、却下ですね」

「うむ、残念ながら、だな」

 しかし博士は諦めず、また世界を滅ぼすために、頭をひねるのだった。


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