冒険録83 主人公とヒロインが月を愛でた!
大人夕さん
「寝る前にっとぉ……」
夕がそう言ってお
そうして寝る準備
「むぅっ! とどかないの!」
我らがお
「かわのじじゃないの!」
「そう、か?」
「なの!」
三人並んで寝れば川の条件を満たしているとは思うが、ルナの思い
「もっとくっつくの!」
なるほど、両側からぎゅっと
「そう言われても……なぁ?」
「うん……ほんとはそうしたいけど……もにょむにょ」
これ以上夕に近付くと、
それで俺達が困り顔をしていると、
「ん〜〜〜〜、【えいっ!】」
全身を銀色に
「ちょぉ!」「うゃぁ!?」
すると、俺と夕が磁石のように引き寄せられて
「んなっ、取れねぇ!?」
接着
「ルナちゃんの魔法、つよすぎぃ……」
「ここは解除魔法で――いや、うーん」
こちらも魔法で
「……はぁ、困ったもんだなぁ」
「ほんとねぇ」
夕も同じ考えに至ったのか、空中のルナを指でツンツンしながら「しょうがない子ねぇ」と
「むっふぅ~」
ピッタリくっついた事を確認したルナは、その間に降りて枕の上で
「――あっ、ルナ、寒くないか?」
「へーちゃらなのー」
ルナ用の布団がないので心配したところ、ルナはそう言って夜空色の流体髪を前に出して
「おおお、そんな手が」
「それにとってもキレイで素敵ね♪」
「にひひー」
夕が
「よし、寝よ――」
「ねーねー、ままぱぱ」
「今度は何だよ……」
ランプを消そうとしたところで、ルナが
「おやしゅみのちゅー! してぇ~!」
ルナが両手両足で
「え……あー」
アレな、洋画とかで良くみるヤツ。
「あら、
「んふぅぅ〜。ぱぱもー!」
「お、おう……おやすみ、ちゅ」
「くふふっ。ままぱぱぁ……おやしゅみぃ……なのぉ……」
少々照れくさいながらも夕に習って頭へ軽くキスしてあげると、ルナは幸せそうに微笑んで、その美しい
「(うふふ、よっぽど
「(だな。まぁ、今日は色々ありすぎて、正直俺もクタクタだぜ)」
「(あはは、あたしもだよぉ)」
寝る子を起こさないよう
「(っ!?)」
そこでさらに夕が、俺の手をきゅっきゅっと優しく
「(……あ、あの、夕?)」
「(パパの手、あったかい。安心する)」
「(そ、そうか)」
そうだよな……
「(……早くゆづと
「(うん……ありがと、大地)」
安心させようとこちらも握ってあげると、夕は握る右手に左手も重ね、優しい声でそう囁き返してきた。瞬間――
「(――っ)」
俺はそのあまりの美しさに息を飲み、思わず
「(月が綺麗ね)」
「(っん!?)」
逆に言われてしまった。しかもお決まりのセリフで。
「(…………見てないのに、よく月と分かったな?)」
つまりは
「あら、見えてるわよ?」
「……え?」
実に意外な事を言ってきた。不思議がる俺をよそに、夕はこちらを見つめたままスッと真面目な顔に変えると、
「(
より深い意味を込めたド直球で囁いて――いや、口説いてきた。合わせて可愛らしく
「(え、えと……その……なんだ……)」
内心大慌てで
「(うふふ。おやすみなさい)」
夕は返事を期待していなかったようで、最後に一度だけきゅっと手を握って微笑むと、天井へ向いて目を
「(……おやすみ)」
そうして俺は明日からの異世界生活に様々な思いを
~ 月と金星とステラマジカ 第1部 完 ~
【650/650(本章での増加量+170)】
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第1部まで読了いただきまして、誠にありがとうございます。
異世界でも変わらずジレジレとイチャイチャする二人を楽しんでいただけましたら、ぜひとも【★評価とフォロー】をお願いいたします。
第2部は、二人+妖精さんのドキドキ船デート、にぶちんホリンの恋愛指導、本編のあの子やあの子の登場、大魔導幼女爆誕、などなどを考えております。どうぞご期待ください!
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