冒険録76 魔王様はとても頼りになるぞ!
「「『それだっ!!!』」」
ゆづへの対策に頭を
「ふわわぁびっくりっ、みんなどーしたのー?」
「ありがとね、ルナちゃん。おかげでママ達、いいアイディア思いついちゃったわ」
「そーなのー? るなすごいー?」
「うんうん、とっても凄いわよ!」
『固定観念に
「むふぅ~」
理由は良く解らないものの、とにかくベタ
「……それで、実際いけそうか?」
『ふーむ…………………………』
カレンは俺を
ややあって安心と信頼のナコナコカリキュレーションタイムが終わると、カレンは目を再び開いてこう告げた。
『見えた! 困難ではあるが不可能ではない! キミ達の努力次第だね!』
「よぉっし! 夕とゆづのためだ、どれだけ困難だろうが全力を
「るなもおてつだいするのー!」
「パパぁ、ルナちゃん……ありがと」
夕は俺の手をぎゅっと
「……んで具体的には、魔法で夕の分身を作る、でいいのか?」
確か十年後では、再生
『残念だが、それは難しい。まず第一に、人体丸ごとを無から創造するだけでも、
「……ああそっか、
リア充魔法は非常に自由度が高くほぼ万能と言えるが、ただ一点、
『それと、自分の身体をコピーして新たに生み出す魔法、ゆーちゃんはイメージできるかい?』
「絶対無理です。そもそもあたし、物を動かす程度の魔法すら使えませんし……ごめんなさい……」
「――夕、そんなしょんぼりすんな? 自分の
「う、うん」
夕はすぐに自分を責めてしまう悪い
「カレンさんには、他に良い案があるんです?」
『うむ。自力でフルメイクが無理ならば、まずは
「えと……例えばマネキンみたいな等身大人形ですか?」
『半分正解。人間に限りなく近い人形が望ましいので、ここは……ホムンクルスが最適かな』
ホムンクルス……ファンタジー漫画などで聞いた覚えはあるな。
「たしか、
『その通り。この世界では、人体組成と同じ素材を集めて錬金術――魔法で人型に組み上げ、人間を作り出そうと研究している者が少なからず居る。もちろん完成に至った者はいないがね? 何故なら――」
「
『くくっ、流石は専門家だね!』
スクリーンの向こうから、カレンがパチパチと
「なるほどなぁ。どこかの錬金術師に、人間サイズの
『くくっ、リア充魔法ならば可能では? 何故ならばゆーちゃんは、すでに
「「おおー、たしかに!」」
夕は十年後から現代へタイムトラベルする際に、ゆづという異なる身体へと
「じゃぁゆづがこの身体に残り、夕が移動だな」
「うん。返してあげなきゃだもんね」
元々がゆづの身体なのだ、そもそもそれが筋というものか。
「――あっ! 同じ身体じゃないと
『わたしは錬金術に詳しくはないが……
「そうか、夕が汎用ホムンクルスを自分の身体に作り変えたらいいんだな。一からの創造じゃなく、ほぼ完成しているものの調整だから、リア充力の消費も少ないし? ――あっ、それで
カレンが
「むむむぅ……コピーほど難しくないとしても、
『そうだねえ、ゆーちゃん以外にはできない作業なのだから
「は、はい。頑張って練習します!」
努力家で多才な夕のことだ、根気良く練習を続けて、必ずや上達すると信じている。
『そうだ。まずは、例の願いで練習してはどうだい? 丁度良かろう?』
「えっ……もしかして、もういけるんです?」
『短時間ならば』
「やったぁ! これは楽しみだわぁ、にしし」
『
夕とカレンが、いたずらっ子のように笑い合っているが、俺には何のことやらさっぱり分からない。
「……何の話?」
「『ひ~み~つ♪』」
「ひひひーぱぱにはひみつなのー!」
「「『ね~♪』」」
「えええ……」
また
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