第1部
第1章 月と金星と魔王降臨
冒険録01 野生の妖精さんが飛び出してきた! (挿絵有)
表紙をご覧になっていない方は、是非ともご覧くださいませ。
https://kakuyomu.jp/users/mochimochinomochiR/news/16817330650787476976
――――――――――――――――――――――――――――――――
その枕は、トクントクンと
――て
ああ、なんて心地よい。
ここは天国だろうか。
このまま
うん、寝よう。むにゃ。
――きて
「パパ! 起きてってば!」
「うおぅ!?」
――できてしまった。
耳元に届けられた大声に
「夕か……おはよ?」
「んもぉ~、やぁっと起きた。おなか、ちょっと苦しかったんだからね?」
夕は俺の
「おな、か?」
……ああなるほど、俺は夕のお腹を枕にしてスヤスヤと眠っていた訳かぁ。そりゃ最高の
「――っごめん!!!」
「はぁ~、ようやく頭も起きたみたいね?」
「そりゃもうバッチリパッチリで」
この夕は毎日のように家に押しかけてくる困った子なのだが、まさか寝床にまで
「んふっ♪ パパの寝顔を間近で見られたからいーけどね? ……でもぉ、
「くっ」
夕はニマニマさせた口元に小さな
「――ん? こんな場所?」
そこで俺は、寝室に対しては少々
「ちょ、えええ!?」
森。
「…………ナゼ? モリ?」
「さぁ?」
混乱する俺から
「あたしもビックリして、すぐにパパを起こしたとこよ――んしょっと」
夕は上体を起こして
そこで足元に視線を向ければ、俺達は直径二mほどの巨大な切り株の上に居ると分かった。確かにこのような場所で寝ていれば身体も
続いて夕は切り株の上で立ち上がると、茶の
「さて…………はぁ」
俺も立ち上がり、どうか見間違えであって欲しいと願いつつ、再度ぐるりと辺りを見回す。だが……日が差している切り株から半径十mほどより先は、
「――えーと、そもそも寝る前は……家のベッド……だっけ? 夕は覚えてる?」
「んにゃ、あたしも全然覚えてないのよねぇ」
「となると……もしかして、
「えー、まっさかぁ………………んー、でもそれくらいしかない? 二人して無意識のうちに知らない森に来て寝てるとか、ヤバ過ぎだもん」
「だなぁ」
ただ、仮に誘拐などの犯罪に巻き込まれたとしても、犯行の目的が全く分からない。別に俺たちはお金持ちでもないし、
「――ああっ!」
そこで夕が突然大きな声を上げ、
「ふぅ~、よかったぁ…………時計は無事みたい」
「んむ」
もしこれが金品目的の何かであれば、絶対に
「
そこで突然時計が
「あっぶなぁ! でもなんで震えたんだろ? バイブ機能なんて付いてないはずだけど……」
夕は時計を
さらに夕は時計を
「「んええええ!?」」
二人の
なんとその中には……
「「――!」」
二人でソレを指差しながら、
「――あ、あれだ……に、人形かもよ?」
「あ、ああ、そ、そうね。うん!」
そうは言ってみたものの、しなやかな
「ふわ~~~よくねたの――」
パシン!
その妖精(?)がモゾモゾと
「……ネェ パパ」
「オウ」
「コレハ ユメカナ?」
「ダナ」
「ウン」
「ウン」
引き
「なにするのー!」
「「!?」」
夢の妖精さんが蓋を持ち上げながら
「いきなりとじこめるなんて、ひどいのー!!」
「ふぎゅっ」
鼻先にフライングショルダータックルを受け、夕はくぐもった声を上げる。
「いだぁいぃ……」
「……じゃぁ残念ながら現実のようだな」
「はぁ~、
胡蝶の夢……蝶になる夢を見た壮子が、本当の自分は蝶であり、今の自分は蝶が見ている夢なのかもしれない……と考える話だったか。――ははっ、さすがは夕、いつもながら上手いこと言うもんだ。
だがその
「むつかしーこといって、ごまかしゅなぁー! なのー!!!」
「ふぐぅっ」
【?の力:2/4】
――――――――――――――――――――――――――――――――
https://kakuyomu.jp/users/mochimochinomochiR/news/16816452221404468037
https://kakuyomu.jp/users/mochimochinomochiR/news/16816452221404369545
――――――――――――――――――――――――――――――――
こんにちは、作者の餅餅餅と@かのんでございます。
この度は第1話をお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
少しでも面白いな(or絵が可愛いな)と感じていただけましたら、【ブックマークと★評価】を押して応援してもらえますと、作者達は感謝の正拳餅突きをしながら執筆・作画により一層励んで参ります。
それでは、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます