氷結のフロンティア
羽刀 イフ
第1章 始まりは…
物語りは、あの日からー…
「皆様ー!こちら、噴水の中を覗いてみてください!」
ここ シオン都市。国の中心となり栄え、観光客でも賑わいをみせている。
旅行ガイドの元気な声に観光客達は水面の向こう側にみえる歴史を覗き込む。
「噴水の石像のデザインとなっているのは、氷結の女王と7匹の竜。そして、竜と共に、この国を救ったと言われる6人の魔法師です。そして、水面の底に見えるのは氷に閉ざされた旧シオン都市となります」
時に歴史とは残酷にも現実味を帯びない。
何万人もの人々が亡くなったと言われる戰の跡地も氷に閉ざされ時間が止まったままの都市は幻想的な世界が広がり輝き美しくもみえる。
今は観光地としても人気のシオン都市だが、溶けることのない氷の上に、現魔法師の6人が新たな大地を造り上げ、シオン都市を築き上げた。
しかし、何百年もの時がたっていても 氷結の女王の罪は語られ続け、未だに氷属性を持つ者達は虐げられ差別を受けている。
大都市の中心へ行こうものなら冷たい目を向けられるだろう。
「ガイドのお姉さん!氷キラキラしてキレイね」子供に話しかけられて我に返った…。
『いけない!仕事中だったよ!』「本当ね!とても、綺麗ね」
子供は笑顔で大きく手を振り親の元へ戻って行った。
自分で綺麗とか言っておきながら寂しくなった…。心から そんな事思ってもいないくせに…。
私は知っている。私の正体もしれば笑顔も向けてもらえない事も。
私は探している。氷属性をもつ ある人物を…。
そよっと冷たい風が後ろから吹き付けた。
「雪…?の結晶…?」
急いで振り返ったが誰も居なかった。
これは、始まり…。あの日からの物語り
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます