20歳の後悔と感謝

言えずにいた言葉だから

『どうして私を産んだの』

そんな言葉が、軽々しく口をついて出てしまった。

『どうして私はこんな体で産まれたの』

答えのない問がするすると出てきた。

『私なんか居なければ良かったんだ』

分かっている事を、自分で歪ませて、受け止めきれないと吐き捨てた。

『どうして？』

ごめんね。

望んで産んでくれたのを知ってる。

産めない体と言われても、治療を頑張って

授かった子なんだと、知ってる。

『どうして？』

ごめんね。

これはお母さん達のせいじゃない。

遺伝子だと、結論付けるならそれだろう。

でも、それはお母さん達のせいじゃない。

神様が、イタズラにそうさせたんだ。

『どうして？』

ごめんね。

私を望んで産んでくれたのに。

それを蔑ろにしてしまって。

そんな事を本当に思っていたら

こんなに手を差し伸べてくれるハズないのに。

私は何度も悔やんでいる。

私は自分を憎んでいる。

私は何度も何度も

後悔の海に沈んでいる。

あなたは、私と同じ悩みを抱えていて

唯一の理解者。

その人にかける言葉らではない事など

私が一番分かっている。

私の言葉でどれ程傷ついたか

想像に容易い。

ありがとう

私を産んでくれて。

ありがとう

私を育ててくれて。

ありがとう

私を愛してくれて。

あなた達の子供で

良かったと心から感謝しています

私は20歳になりました。

ー終ー