君との日々

わた

第1話

「今までありがとね。」

ファミレスの片隅。

大きめの窓の外を見つめ、私は呟く。


日が落ちてもう随分経ったからか、家族連れは居なく、寂しい雰囲気の地元にあるファミレス。

今日は星がよく輝いているからかあまり暗くない。

ここは私の行きつけだった。



私はいわゆる『コミュ症』の『陰キャ』っていうやつだった。

幼稚園や低学年の頃から人見知りが強い子だった。

友達は狭く浅いタイプだったから親友なんて居なかった。


君と出会うまでは


中2の春。君と出会った。

始まりはSNSで、学校や家の愚痴用に垢を作った私は、いつもTwitterで呟いていた。

勿論フォロワーもフォロー中も居ない。


そんな私の垢にフォロワーが出来た。

知らない人だったので垢を確認してみると、同じ愚痴垢だった。

嬉しくなってフォロバをするとその日のうちにDMが送られてきた。


[とても共感したのでフォローしてしまいました (_ _*)]

[フォロバありがとうございます。これからよろしくお願いします!]


こんなの初めてだ。

嬉しくなって返事をする


[こちらこそありがとうございます。]

[呟き拝見させて頂きました。共感です(泣)]


この文章を送るのに30分もかかっていた

だけれども、そんな無駄な時間が短く感じる程に嬉しかったのだ。

その人の垢(ミロさんというらしい)を最初に見たときは驚いた。フォロー中が私しか居ないのだから

もしかして学校の人が、特定したとか…?

そんな考えが頭に浮かんで少し怖かったけれど、内容は本当に共感できたので気にしないことにした。


それからDMで毎日少しずつ会話して、雑談をする仲にまでなった。

本当に楽しくて話していて疲れない。


それと並行して学校生活はどんどん辛くなっていったのだが。


虐めなどこそ無いがぼっちの私は、学校生活を普通には過ごせない。どうしても浮いてしまうし、グループ活動でも毎回余ってしまう。

皆が新しいクラス慣れてきたというのに私だけ馴染めていないのだ。

そんな愚痴にもミロさんは共感してくれた。


いつものようにDMで会話をしていると

[そういえばハネさん(私)ってどこ住みなの?]という質問が来た。

すると地方、県、市、全て同じだったのだ!(証拠も見せて貰った。)

年齢まで同じなのでだんだんと学校一緒説は濃厚になってきているが、それはそれでいい気がしてきた。

こんな人とリアルでも友達になれたらどんなに良いだろう。


会話は弾み、今度会わないか?という話になった。

こんな上手い話なんてあるのか、と不安はあったけれど君の勝ちだ。

早速今度の土曜日に会うことにした。



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