第18話

「ウィルー!!!」

私はペコリとお辞儀をするとその場を後にした…と見せかけて生垣に隠れ二人を覗き見ることにしました。


ウィル様は

「毎日…元気だな…」と微笑みながら優しく女生徒の腰を抱き寄せます。

「君を見るとこちらも元気になる…会いたかった…」


女生徒は甘えたようにウィル様の肩に頬を擦り寄せると

「…婚約者とは…何もしてないよね?」そう尋ねています。

「…挨拶しかしてない…法律で制定されているのだ…我慢してくれ。本当に愛してるのは君だけだ…」

二人の唇は触れ合いそう…

「私が側室になったらあの人のところには行かないで…」

「わかってる…彼女はお飾りの妻だ…」





「お姉様ー!!!!」


「わあ!」

私はベッドで飛び起きてしまいました。

「大丈夫?すごくうなされてたよ…」

妹が心配そうに覗き込んできます。

心臓がバクバクしているわ…!


「ええ…大丈夫…変な夢を見ていたわ…マリーありがとう」

なんだかとても嫌な夢だったわ…

…どんな内容だったかしら?

「まだ真夜中だよー!お姉様一緒に寝よ!」

マリーは私の布団に潜り込みました。

…この子ったら…

私の事を心配してくれてるのね…優しいマリー。


私達は手を繋ぎ眠りに落ちました。







「ウィルー!!!」

馬車から下りると俺の乳母の娘がやって来た…

あ!メイ…!

待て…!!

ううう…

メイが行ってしまったではないか!!!!

「ウィル!一緒に教室行こ!」

「…行かぬ。それに私の事を名前で呼ぶ許可を出した覚えはない。」

女性で愛称呼びを許可してるのは母上とメイだけなんだぞ!やめろ!

そしてお前は俺と学年が違うではないか!!

どちらにしても一緒に教室には行けぬだろうが…!



お前の兄と俺は兄弟のように信頼し合い仲が良いが


お前のことは幼少期から苦手なんだよ…


なんか…


何度やめろと言っても俺との交際や結婚生活の妄想を語ってきて不気味だ…




お前は兄の立場も考えてやれよ!


毎回頭を抱えているぞ!


その点メイは…

かわいくて賢くて優しいのだ…

俺が悩んでいるとアドバイスをくれたり…

すごくすごく素敵な女性なんだ…

俺は素晴らしい女性を婚約者に選んでしまった…

会うたびに毎回そう思う。

メイはかわいいし…優しいし…賢くて…豊かな胸と腰を持っているのだ…!!!

大事だ…ここは…



俺はその場を素早く立ち去ると日課であるメイの観察に勤しむ。

ハァ…メイ…

かわいい…

大好き…

今日のメイはなんだか活発だな…

庭に行くのか…

木の陰から眺めよう。


ふふ…

キョロキョロして…かわいい奴め。

なんか…目が合ったような気がするぞ!

なんだ…いい日だな…今日は!


ふうむ…

次は図書館か…

メイは恋愛小説が好きだからな!

どれどれ…

棚の隙間から本を選ぶ顔でも眺めるか…

ふふ…かわいい…



婚約者になって5年経った…


メイにアプローチを俺なりにしているのだが


全然仲が進展しない…




俺はどうしてもメイとイチャイチャしたくて彼女に「婚約者は挨拶として毎日性器を触りあうんだ…」ととんでもない嘘をついたのだが


彼女はまるっと信じて全部俺の言うとおりにする。


後一年後にしょしょしょしょ初夜を迎えるんだ…!


それまでにはメイの蜜口を慣らしておかないと…


メイが痛い思いをするではないか…!

…俺だけじゃなく…メイにも気持ち良くなってもらいたいし…




挨拶の後も少しでもメイに触っていたくて足を絡ませると彼女は遠慮しているのか離れて行ってしまう…


それを追いかけて足に触れ続けたら


自分が大きいせいでぶつかってしまう…と勘違いさせてしまった…


ごめん…メイ…


なんで王族って謝っちゃいけないんだ…


ここは謝りたい…


謝罪するとこだろ!こんなわけがわからないルールは俺が王位に就いたら廃止してくれよう…!!


メイが申し訳なさそうにしてるではないか…!


かわいそう…メイ…俺が悪いのに…






ああ…かわいい!


少し申し訳なさそうにしてるメイもかわいい…!!




本当はキスしたい…





今朝キスをしようとしたら拒否られてしまった…

メイは小さな声で何か言っていたが

馬車の音がうるさくてよく聞こえなかった…


メイは婚約者の挨拶という言葉に弱いので押してみたが無理だった…

もっといやらしい事はさせてくれるのに…!

なぜキスはダメなんだ…




俺はメイとキスがしたい…

もっといやらしいこともしたい…

ハァ…メイ…

大好き…



教室の外でメイの様子を伺っていると彼女がどこかに行こうとしているので声を掛けたがあしらわれてしまった…

珍しく走る彼女の後ろをついて行く。

俺は生垣に隠れてメイを見ていると

なんだ…!!

男子生徒と話しているではないか!



喋るだけでは飽き足らず…手…手を!!手を握ろうとしてるではないか!!この男はとんでもないヤツだ…!!

調子に乗りおって…!!


メイの手を触るのは許さん…!!!

俺は生垣から飛び出した。


メイは駆け寄って俺に着いた草をほろってくれている…

優しき女よ…メイ…

大好き…


なんとメイの豊かな胸が当たってるではないか…!!

ラッキー…今日は最高な日だ!!!



メイが…

机に入っている手紙を読んでいるぞ…!!

…誰だ!誰からだ!!

…男じゃないだろうな!!

廊下に出てきたメイに慌てて声をかけるが「内緒です。」とかわいく言われてしまった…

…ううう…かわいいが俺は諦めんぞ…

手紙を入れた不届き者の正体を暴いてくれよう…!!

ぐうぅ…!!

相手は温室男子ではないか!!

あいつめ…!なんなんだ!!

メ…メイの背中に触るな!!許さんぞ!!

俺は二人の前に飛び出す。

またしてもメイは俺の草をはらってくれる。

…好き…メイ…

温室は暑いからな。影に氷を用意させよう。

メイ…絶対に俺以外の男に触らないでくれ。

俺は…それは本当に絶対いやなんだ…!

氷を入れた瓶をメイに渡すと嬉しそうだ…

ふふふ…

汗をかく前に上着を脱がさねば…メイの中身が透けて見られてしまうぞ…俺は慌てて服を脱がせる。

これで一安心だ!やれやれ…



メイはカエルが好きなのか…

くそ!庭師の息子から聞くなんて…メイは俺の婚約者だぞ!なんでお前がそんな事を知ってるんだ!

くそ…プレゼントの参考にしよう…

庭師の息子め…


メイ…俺のプレゼントしたカエルと寝ているなんて!か…かわいすぎる…

これは…なんだか股間が固くなる事案だ…

しかもなんだかメイがくっついてきてくれるし…カエル万歳!!カエル…!!カエルすごいぞ!!

お茶も飲ませ合って俺たちはもうすごい仲ではないか?

これはすごいぞ…!!

ふふふ…メイ…ハァ…好き…

思わずキスをしようとしたら

皆に見られてしまうと恥ずかしいからか断られてしまった…

うぅ…俺はメイとキスがしたい…

メイの唇はぷるぷる…

なんだ!!メイは試合を見ながら目をキラキラさせておるではないか!いかん!こっちを見ろ…メイ。

妹の試合以外はチョコレートを口に入れるとしよう。

これで他の男を見ることはないな。




メイが月のものになってしまった…

身体が辛いのではないか…

冷えは良くないと聞く…

最近肌寒いしブランケット等など用意させよう!

メイの好きなチョコレートもだ…

なんだか憂鬱そうな顔をしていたからな…

少しでも元気になると良いのだが。

あ!一人で行ってしまった!

待てメイ!一人で行ってはいけない…危険がいっぱいなんだぞ!

俺はメイぬくぬくグッズを抱えてメイを探す。

メイにつけている影が池の方に行ったと報告してきたのでそちらに急ぐ。


するとなんだ…!!

またしても庭師の息子といるではないか…

メイの横に屈むな…!

彼女は俺の婚約者だぞ!


息子め…!!!

油断ならんヤツだ!!


俺はメイをベンチまで連れて行く。

膝にブランケットを掛けて

お茶を飲む姿はかわいい…

手はさり気なく繋いだままにしておこう。

…前は振り払われてしまったからな…

メイは恥ずかしがりなんだ…


「ウィル様は寒くありませんか?」


ブランケットを俺にも掛けてきたではないか…!!!

これは…

もう営みではないか…??

ブランケットを二人で共有して…

もはや営みを越えているのでは…!?



俺はメイに少しでもくっつきたくて膝をピトリとくっつける

ついでに手の甲で太モモをすりすりしておこう…メイの足…もちもちですべすべだ…









メイ…大好き…

俺は毎日いつでも暇さえあれば君の事を考えている…

ハァ…メイ…

今何をしている?

俺の事を考えてくれてはいないだろうか…

会いたい…

毎日毎時間毎分毎秒会いたい…

ハァ…早く君と結婚したい…

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