第95話 シバ、トイ、ポメ、チワ、ダック

「アインスやツェンのようなフワフワ&モフモフが良いんだろ?」


 レンはリリスに掛ける言葉使いが段々荒くなっていた。


「うんうん。フワフワのモフモフよ」


 リリスはノインを見てワクワクしている。


「そして護衛が出来る強い子かぁ………、シバ、ツヴェルフを呼んで来い」


「わん!」(任せてワン)


 レンは柴犬のコボルト・シバ(愛称)にセントバーナードのコボルト・ツヴェルフを呼びに行かせた。


 ちなみに国王の側仕えのコボルトは5匹。全て愛称を付けていた。


1.トイ

 メイドをしているトイプードルのコボルト。オリビアのお気に入り。毛色はホワイト。カールしたフワフワのシングルコートが良いモフモフ加減。


2.ポメ

 同じくメイドのポメラニアンのコボルト。プリシラのお気に入り。被毛は密生したダブルコートで毛色はホワイト。


3.チワ

 同じくメイドのチワワのコボルト。毛色はピュアレッド(赤みがかった褐色)。ロジーナのお気に入り。コボルトの中で一番小さい。成犬でも100cm。


4.シバ

 側仕えの柴犬のコボルト。毛色は赤(赤みがかった褐色)。被毛は真っ直ぐで硬いトップコートと柔らかく縮れたアンダーコートによるダブルコート。


5.ダック

 側仕えのミニチュアダックスフンドのコボルト。被毛は柔らかくて長いロング。毛色は単色の赤茶でレッド。


 そうこうしているとシバがツヴェルフを呼んで来た。


「きゃあ! この子なのね! 良いわぁこの感触。んふ」

 ツヴェルフに抱き着くリリス。


「わふぅ……」(どうしたらいいのワン)


 困惑の表情でレンを見るツヴェルフ。


 ツヴェルフ

 セントバーナードのコボルト。毛色はホワイトにレッドのブランケット(胴体を覆うような大きな色)。被毛はロングのダブルコート。勿論モフモフ。大工のコボルトからナンバーズに昇格した。


「リリス、強制モフモフは我が国では罪になるからな。自由なるコボルトへの権利侵害だ」


「あふぅ………、そ、そうなの?」


 ツヴェルフを見るリリス。


「わん」(そうだワン)

 ツヴェルフはうんうん頷く。


「はふぅ、モフらせてぇ」


「リリス、何事もいきなりは良く無い。まず自己紹介が先だろう。お互いの事を分かり合って仲が良くなってからじゃないとね。君だって知らない人にいきなり抱き着かれたらイヤだろう」


「そうよぉ。私だってこの子と仲良くなるまで一週間はかかったわ」


 チワを抱っこして撫でるロジーナ。


「そ、そうね。いきなり私に知らない人が抱き着いて来たら処刑よ」


(こわっ………、王女だからな)


「紹介しよう。我が国のトップランクのコボルトの中の一匹。セントバーナードのコボルト・ツヴェルフだ。ツヴェルフ、こちらはミノス王国王女リリス。我が国にいる間だけ護衛をしてくれ」


「わんわん」(了解だワン)


「初めまして、リリスよ。宜しくねツヴェルフ」


「わんわん」(ツヴェルフですワン)

 ツヴェルフは跪く。


「そんな堅苦しい挨拶は不要よ」

 リリスはツヴェルフを立たせて握手する。


(この肉球、堪らないわ!)

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