第82話 ロバートと会議と言う名の簡単な人物紹介

 一方、コジマ公爵領を奪ったレン達は、領都の城に主だったメンバーが集まった。


「まさか建国するとはね」


 とダリアが言う。ダリアは元Bランク冒険者パーティである『朝焼けの光』の魔法使い。現在はアレス王国騎士隊第三騎士団団長で魔法師団団長だ。


 ダリアのお気にはフラットコーテッドレトリバーのコボルト・フィア。今もフィアをモフリながら会議に参加している。


「そうだね。ヒダ王国にまで喧嘩売っちゃたし。ヒダ王国の状況はどうなの?」


 元『朝焼けの光』狩人のエリーは弓術隊兼斥候の第四騎士団団長。


 エリーのお気にはゴールデンレトリーバーのコボルト・ツヴァイ。


「んー。うちと仲良くしたいらしいわよ。建国を認めて友好条約を結びたいって」


 ヘレナは辺境街の元テイマーズギルドのサブマスターだった。今はコボルトで手がいっぱいのレンに替わり、国の管理を一手に引き受けている。


 しかもテイムしているネズミの魔物が、ヒダ王国の情報収集もしている。


 騎竜のドラッヘもテイムしているし、元限りなくAランクに近いBランク冒険者だったらしい。


 だが一番の眷属は八咫烏のヤタだ。ヤタは今ではヘレナの側にいる事が多い。


「そりゃ無茶な話だ。今まで馬鹿にして襲って来たのに、手のひら返しかよ。クイントン、どう思う?」


 元『朝焼けの光』リーダーで剣士のフェルダーはアレス王国の将軍であり第一騎士団団長だ。


 お気にはドーベルマンのコボルト・ドライだ。ドライはフェルダーの隣りに座って目を閉じて両腕を組んでいる。


「どうと言われても。レン様は宣戦布告しているのですよね」


 クイントンはフェルダーに倒された元傭兵団団長の一人。フェルダーの気まぐれでフェルダーの参謀をしている。


「そうだ」


 ゲイルも元『朝焼けの光』の槍術士。第二騎士団団長。お気にはシベリアンハスキーのコボルト・フンフ。


「それは良いけど、何で俺がここにいるかなぁ?」


 ロバート、辺境街の冒険者ギルドで解体士をしていた愛称とっつぁん。元Aランク冒険者だが、足を怪我して引退した。フェルダーの師匠。


「そりゃ段々話が大きくなってきて、将軍が俺一人じゃ厳しいからさぁ。信頼出来る人を紹介したのさ」


 とフェルダーが答える。


「俺は片足が無いから戦えんぞ」


「戦闘に詳しくて、騎竜に乗れれば大丈夫だ。護衛は沢山いる。なぁ!」


 新しくナンバーズに昇進した土佐犬のコボルト・エルを見たフェルダー。


「わふぅ」(俺に任せろワン)


「手伝ってあげなさいな。街の冒険者ギルドも潰れて無職なんでしよ」


 ジュリアは辺境街の元錬金術ギルドマスター。お気にはチベタンマスティフのコボルト・ツェン。ツェンをモフりながらロバートを説得していた。


 ジュリアには、その他に錬金術の弟子のコボルトがいる。ボーダー・コリーのコボルト、プードルのコボルト、シェットランドシープドッグのコボルトの3匹だ。


 その3匹もジュリアの後ろでニコニコしながら尻尾を振っている。


「まあ、そうだな。良いよ。手伝ってやる」

 ロバートは義足の足をさすりながら答えた。

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