モンスターペアレント
雪之丞は友人と教室へ戻ろうとしてふと見ると鬼塚と八巻の姿が見えた。
「鬼塚さん!八巻さん!どうかされました?」
雪之丞がそう声をかけると、鬼塚と八巻は振り返った。
「雪之丞君…。実は石松先生に案内されてB組の教室へ来たんだけど、
鬼塚は悲しい気持ちになりながら話した。
「鬼塚さん、姉から鬼塚さんが牛鬼の姿に戻った時の動画や写真がSNSにアップされて話題を呼んで依頼人がたくさん来たと聞きました。もしかしたら、
雪之丞は冷静になって言った。
「それは違うな」
八巻は遮った。
「あの時先生がいたから余計だろ?目が敵意剥き出しだったからな」
「八巻さんの言った通りだと思う。今回はこれで帰るよ。また改めてどうするか考えるよ」
鬼塚はそう言って雪之丞と別れた。
何でも屋に戻った鬼塚と八巻は伊万里、一華、山田夫人宅から戻ってきた本郷にこの事を話した。
「鬼塚さん、これからどうしますか?」
伊万里は尋ねた。
「帰る時、こっそり
鬼塚は小声で言った。
「モンスターペアレント…」
一華が呆然とした。
「
「まぁ、下の名前トーマスだからな」
八巻は冷静に言った。
「モンスターペアレントなのは、アメリカ人の父親じゃなくて日本人の母親の方なんだ…」
鬼塚の話を聞いた一同は落胆した。
「面倒臭そう…」
一華は呟いた。
「皇さん、知ってた?」
鬼塚は尋ねた。
「隣のクラスの子の話はよっぽど仲良しじゃない限り聞かなかったんで、初耳です」
伊万里は言った。
「そんな訳で…明日も学校行くんだけど、今度は僕1人で行くわ。明日八巻さんは本郷君と一緒に山田さんのお婆ちゃん宅へハウスクリーニング行くし、阿南さんは灯勇君の保育園関係で休みだし、皇さんは行ったらまずいし…」
鬼塚は予定表を見ながら言った。
灯勇とは、一華の3歳の1人息子である。
「ちょっと待てください。何でまた皇ちゃん、お留守番なんですか?」
「明日その
鬼塚は重たい口調で話した。
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