Ⅱ 2

「それを浮気調査っていうの」

「彼女はそう言っていたよ」

「でも、付き合ってるわけじゃないんでしょう」

 夢見はコンビニで買ってきたサンドイッチをかじる。

「コーヒーはもうないの」

「飲み物は買ってこなかったんだ」

「あると思ったから」

「それよりもチャーハンが食べたいな」

「となりに行ってくれば」

「ついでに美佐さんにアイスティーか何か持ってきてもらうように言ってよ」

「ミーちゃんは行かないの」

「サンドイッチもっては行けないでしょう」

「そっちじゃなくて満飯のほう」

「あたしはいい」

 タクヤは冷蔵庫から炭酸水のペットボトルを出して、夢見の買ってきたサンドイッチの袋を開けた。

「チャーハンはいいの」

「せっかく買ってきてくれたから」

「それでさ、その子実はストーカーとかなんじゃないの」

「何となくね。そんな感じもする」

「それならわかるんじゃないの。女がいるかどうか」

「そうかなあ。一日のほとんどを美佐さんのところにいるんだよ」

 そう言ってタクヤは事務所のドアのほうに歩いていく。

「どこに行くの」

「やっぱりチャーハンが食べたい」

「それなら美佐さんのところに行ってよ。コーラでいいから」

「あそこはチェリーコークしかないよ」

 タクヤが振り返ると、夢見は微妙な顔をしている。

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