第13話 冒険者の少女3
バットをクルリと回した後、男達に向ける――
「俺か……俺は。フッ、お前達をぶっ飛ばす男だ!」
言ってしまったぞ。
まさか俺の人生で、こんなセリフを言ってしまうとは。
ダンジョンやばい、雰囲気がやばい。完全に当てられてしまっているわ。
「てめぇ、正気か? 俺達に勝てるつもりでいやがるのかっ!」
厭らしく口角をあげて、嘲笑のを浮かべる
「そのつもりだ」
言ってしまったものは仕方ない、このノリを貫き通してしまおう。
変に恥ずかしがるからいけないのだ。今の俺は、ピンチに駆けつけた謎のヒーローやまだ。
これだ、これでいこう。
「はっははは、俺達は元、『赤鉄』級の冒険者よぉ。お前みたいなヤツに負けるはずがねぇ」
それに釣られて、
さっそく、笑われてしまったぞ。
何だソレ、知らないよ。
冒険者に階級あるなんて初めて知ったわ。
で、その『赤鉄』級とやらのステータスはどんなもんよ。
名前:ゲレレ
性別:男
種族:人間
ジョブ: 無法者
レベル:16
HP:155
MP:0
STR:31
VIT:33
INT:0
DEX:19
AGI:29
見てみれば、ダンジョン推奨レベルギリギリ。
ネトゲであれば、パーティに入った途端キックされても、文句言えないレベル。
曰く、「募集内容は、ちゃんと見てくれましたか? すみませんが、キックしますね」
基準を満たしていない者に対して、世間の風は冷たいのだ。
さて、もう一人はどうだ?
名前:モッスル
性別:男
種族:人間
ジョブ: 無法者
レベル:14
HP:147
MP:0
STR:29
VIT:25
INT:0
DEX:33
AGI:35
こいつに到っては、レベルが下回ってるぞ。おいおい……逆に心配になってしまうわ。
そして、これがやまださんのステータス。
名前:ヤマダ タケシ
種族:人間
性別:男
ジョブ:冒険者
レベル:37
HP:750
MP:590
STR:255
VIT:309
INT:248
DEX:225
AGI:370
ストックHP:10
スキルポイント:165
その差はまるで大人と子ども。我が戦力は、圧倒的じゃないか。
思わず、ふふっと笑いが漏れてしまった。
「何が可笑しい? 笑うんじゃねぇーよっ!」
不機嫌そうに言葉を吐き捨てると、武器を構えて向かってくるモブA。
自身は嘲笑したクセになんて理不尽なやつだ。
それを向かい撃つべくバットを持つ手に力をこめる。
――あれ? なにか遅くないか。
モブAの動きが、まるでスローモーションのようだ。
いや、これはあれだ。きっと上昇したステータスが、そう見せているのかもしれない。
切り込むモブAの剣を、バットで打ちつける。
金属の甲高い音がダンジョンに響く、厚い刃が粉々に割れた。
それを見て驚愕するモブA。
やまださんもビックリ。
まさかこんなにも簡単に、粉々になるとは思わなかった。
しかし、今は驚いている場合じゃない。
すかさず腹にバットを打ちつける。
「ぐはぁっ」
苦悶の表情を浮かべるモブA。次の瞬間、その場に倒れ落ちると動かなくなった。
続けて、モブBに向けて駆ける。
まさかモブAが倒されてしまうとは、思っていなかったのだろう。
剣すら抜いていない。素人目で見ても隙だらけもいいとこだ。
ええい。このまま打ち込んでしまえ。
モブAと同じく腹部へ。
打ち込まれたモブBは、への字に体を折りながら、そのまま地面に倒れこむ。
……ふう、終わったぞ。
救助ミッションコンプリート。
これだったらまだ、ゴーレムさんのほうが強かったな。
フッ、なんだぜ。
「す、すごい……あなたは一体……」
ローズが驚愕の声をあげた。
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