ファンクラブ

連喜

第1話 クラスのアイドル

 これは俺が勤めてる会社の人から聞いた話。

 その人の娘さんが通っていた中学校に、すごくかわいい子がいたそうだ。

 名前は仮にAちゃん。


 その子は、顔がかわいいだけじゃなくて、明るくて、面白くて、男子にモテモテ。男の先生にも気に入られてて、えこひいきされていたらしい。


 男女とも友達が多くて、私設のファンクラブがあったそうだ。人数は15人だけど。俺の周りでこんな人はいなかったから、すごいと思う。素人のファンクラブなんて都市伝説みたいだけど、前に見たアンケートでは7%くらいの人が自分のファンクラブがあったと答えていた。だから、意外とこういうことはあるのかもしれない。


 Aちゃんは小柄だけど、スタイルがよくて、たたずまいもかわいかったとか。ダンスを習ってて、周囲からアイドルになれば?と言われていたそうだ。本人も満更ではなかったらしい。


 それにしても、この話を聞いて、みなさんはこの子と友達になりたいと思うだろうか?

 

 女性の場合、そこそこ可愛い人だったら、一緒にいられると思うけど、そうでなかったら辛いかもしれない。

 俺の場合は男だから、見た目がいいとか、モテるとかはどうでもいいけど、若くて東大卒とかMBA持ってる人なんかを見てるとしんどい。努力しても手にはいらないものだからだ。すごくいいやつでも、陰で悪口を言ってしまうかもしれない。


 Aちゃんも友達(Bちゃん)とギクシャクしていた。

 以前はいつも一緒にいるような大親友だったのに、だんだんBちゃんの方が耐えられなくなってきたそうだ。Bちゃんは見た目は普通だった。友達もいた。

 でも、Aちゃんと一緒にいると自分が”Aちゃんのおまけ”みたいに思えたそうだ。




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