「おうおうおう、俺様を食おうってんのか」

今日、マスクメロンを収穫しようとしたら、急にメロンが喋り出した。幻聴だ。間違いなく幻聴だ。

「俺はまだ収穫期じゃないっ。収穫するなら隣のべらべぇべっぴんさんだっ」

「うふん。私のこの身は既に熟れているわよ。さぁ、手を重ねて？」

ーーっは。今、意識が飛んだ？

幻聴が聞こえるわ、手元にはメロンがあるわ、いったいなんなんだ。

「よぅし。次は向かいのガチムチストライカーだっ」

「おぅよ！この身、ジューシー！ギュギュッと詰まった最高級の実！さぁ！一思いに収穫したまえ！」

ーーまた、意識が飛んだっ。

先ほどと同じく、手元にメロンが。

って、隣にあるこのメロン、収穫できるのになんでとばしているんだろう。

「そして最後に、ちょっ、ちょっと待ちやがれっ。俺、俺はまだ熟れてな"あ"ぁ"ぁ"ぁ"！」

うん。いい実りだ。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい