6月10日、君は咲く

黒潮梶木

6月1日

季節の変わり目でまだ学ランのやつと夏服を着たやつがクラスには混じっている。

進級して2ヶ月が経った。友達も増えたしクラスメイトの名前も自然と頭に入っていた。しかし僕はある1人の女子にしか目がいかなかった。それは窓側の席に座る彼女だ。新しいクラスになって初めて同じクラスになった。1年の頃は廊下でたまに見るぐらいであまり顔や名前は覚えてはいなかった。しかし同じクラスになり彼女を見た時、電流が走ったかのように恋に落ちた。だが未だに話したことも無いし笑った顔なども見たことがない。ただ無表情で本を読むところしか見たことがなかった。どうにかして話したい。そんなことを考えていたが何も浮かばず月日は経っていた。意気地無しの自分を恨んだ。

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