うつろうひかり

A1

キミのシャツをつよく握り

暗がりをふたり歩く

小刻みに吐く息を共有するように


B1

片割れを求めて 揺蕩う

半月の蒼いライン 切れ味でもって

私を照らす


S1

この手離せば、もう二度と会えないような

感覚に陥って 深みに嵌まる

君の後ろ姿 見られる距離を見失った

小さな瞳に

うつろうひかり


A2

逃げ惑えば 追いかけてく

あくる日の畏怖の影に

目を背け 息をのむ

静かに朝を待つ


B2

片割れをなくして 

揺蕩う半月は

幾重にもかさなる雲間から

幽かに照らす


S2

この手離せば、もう二度と会えないような

予感、感覚は焦りとなって、確信になる

ひとり、

どれだけの距離を歩いただろう

そっと振り返れば君がいた

日々の足あと


S3

この手離せば、もう二度と会えないような

感覚に陥って 深みに嵌まる

君の後ろ姿 見られる距離を見失った

小さな瞳に

うつろうひかり


この手離せば、もう二度と会えないような

予感、感覚は焦りとなって、確信になる

ひとり、

どれだけの距離を歩いただろう


永久に君をさがし彷徨いながら

うつろうひかり

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