第3話

「おい、妹よ」

「どうした?その酷い服装を私の目に焼き付けて火傷させるつもりか?兄よ」

「妹よ、俺の服装がそんなに酷いなら俺と同じ学校の制服を来ている人間は全員酷い格好をしていることになるぞ」

「いや、私の目が火傷してしまうほどに酷い服装に見えてしまうのは血縁上の関係を持ってしまった兄だけ」

「そうなのか、兄は悲しいぞ妹よ」

「何故?兄よ」

「大好きな妹に服装を侮辱された上に理由が血縁関係と言われれば兄の心はまるでガラスを落としたかのように簡単に割れてしまうんだぞ妹よ」

「ガラスでも強いものはあるし、落とす位置や角度によっては割れないぞ。具体的に言ってもらわないと妹は馬鹿なので理解が不可能だぞ兄よ」

「そうか、妹はそんな事も分からないのか、可哀想に」

「おい、今すぐその哀れみの目を辞めるんだ兄よ。さもなければ家にある兄のフィギアで天ぷらを作るぞ」

「ほう、やれるものならやってみろ。そんな事したらお前の下着を全て食べてやるからな妹よ」

「よし辞める」

「辞めるのが勉強を始めたテスト前のヤンキーより早いな妹よ」

「兄に下着を食われるなど妹の恥だ。そもそも美味しくないぞ」

「味の問題なのか妹よ」

「美味しい味なら食わせてやってもいいぞ」

「妹よ、流石に妹が美味しいと自分の下着を食べさせようとしてきたら兄は病院に連れていく以外に選択肢はないぞ」

「ならば無理やり食べさせるまでだ」

「俺が抵抗しないとでも?」

「兄は私が大好きだからな。抵抗した際に妹を傷つけてしまって泣かせる、拗ねさせる、嫌われるというこの3連ムーブがある中で出来るはずがない」

「くっ!だが、お前も兄大好き人間に変わりは無い。無理やり下着を食わして怒鳴られ、口を聞いて貰えなくなる事を恐れているのはお前も同じだろう」

「確かにそれはそう。つまりどちらも互いに嫌がることは出来ないということ」

「そう言うことだ。ところで妹よ」

「何?兄?」

「今日は風呂と睡眠はどうする」

「何を分かりきったことを言っているの?勿論兄と2人で入るし寝るに決まっている」

「高校1年の妹と風呂に入り同じ寝具で寝るというのは中々に世間体が怖いものだ」

「兄、嫌?」

「ん?嫌な訳あるか、世間が認めなくても俺とお前が認めていればそれでいい」

「そだね」

「じゃあ、もう家に着いた訳だし着替えたらまた会おう」

「うん」

ガチャッ

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