第97話

 「もう勝手すれば!!」

 

 怒って娘は、部屋を飛び出してしまった。が、その後は追わなかった。

    *     *     *    *

 「あそこの焼肉がとても美味しいんです♪」

 

 ニコニコの緩奈に案内され、焼肉店に来た。

 恐らくだが、娘より緩奈を優先したことが嬉しかったからこんなにも上機嫌になっているのであろう。

 ・・・娘より、緩奈を優先したのは、少なからず、こっちの家庭事情に、緩奈を巻き込んでしまった事を悪いと思ったからである。だから、今回ので、借りを返したとまでは言わないが、お礼としては十分だろう。

 

 「卓也さん。どうかしましたか?早く入りましょう。私、めちゃくちゃお腹減りました」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る