第91話

 「・・・俺の事がそんなにも好きなのか?」

 

 「はい。そうです。だから、私と付き合いましょう」

 

 目を輝かせて言う緩奈。

 恐らく、ここで「付き合う」と返事をすれば、無理やりという行動に出る事もなく、この椅子に縛り付けている手を外してくれるだろう。つまり、今は緩奈の話に乗り気なフリをして、後で会わないよにすれば・・・。


 「・・・」 


 少しだけ、考えた。


 「やっぱり、無理だ。緩奈。君とは付き合う事は出来ない」

 

 「・・・そうですか」


 緩奈は残念そうな顔をした後、俺のズボンに手をかけてきた。

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