くまのみみ
岡田メイ
「なんでもいい」は「どうでもいい」
部活でちょっといいなと思う男子がいた。
いた。ということは過去形である。
価値観が合う、喋っていて楽しい、顔もそこそこ、清潔感もあって、優しい。
そんな彼から、二人で遊びに行こうと誘われた時にはもう、あ、私この人と結婚するかもなどと突拍子も無い妄想を広げるほどには舞い上がった。
しかし、いざ行き先を決めようとなると「なんでもいい」の一点張り、前日になると「どうする?」と言ってくる無責任ぶりに私は気が抜けた。適当に私が行き先を決めた。遠出して思い出を作りたいなどという気持ちは既に消え去っており、近場の商業施設で済ませることにした。まあ話は元々合う方なので楽しくなかったとは言わないが、なんか、薄味だったなあなどと思い、時間を無駄にしていると気づいた私は上手く誘導して5時に解散した。こんな時間に解散するのは小学生の頃以来だ。
そんなことがあった先週、婚活関連の漫画を読んでいると、モテてこなかったメンズは「なんでもいい」という言葉を相手のワガママを聞く優しさとして捉えているという恐ろしい事実が述べられていた。「なんでもいい」は「どうでもいい」である。これは義務教育で教えるべきだ。これを読んでいるメンズの皆さん、なんでもいいなんて絶対言っちゃダメだよ。高校生だったら店の予約までしろとは言わないけど……せめて予習してからデートには挑むべきです。
さて、その後彼とはどうなったのか。
私はそれからというもの彼の欠点ばかりが気になるようになった。特に気に入らないのは爪の長さである。爪が長い人を私は昔から信頼できない。危ない、不潔、というイメージがあるからだ。もちろん、事情があって伸ばしている人もいるだろう。ネイルのために伸ばしている人がいるということも承知で言わせてもらうが、私は爪が長い人を警戒してしまう性分なのかもしれない。男性の皆さん、多分爪も切った方がいいんじゃないかな……
爪が短くてハキハキ物事を一緒に決めてくれる人だったら正直、誰でもいいです……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます