第583話 流の災難と、内緒のアルバイト!? その60
「いつ、出発されるのですか?」
結は冷静に、少年へ聞く。
「…あと一時間後だ。それまで駅に行って渡したいんだ」
「見送りには行く」と伝えてあるので、駅へ行けば必ず会える。だが、まだ渡したいラストハッピー賞を手に入れてないのだ。
「なあ、このラストハッピー賞を譲る事はできないか?ここまでの事情があったら、叔父さんも話を聞いてくれるんじゃないか?」
満が、梅川へそう頼み始めた。盗んだのは悪い事だが、こんな事情があるのなら交渉次第で譲ってくれるのでは?と思ったからだ。
「…いや、叔父さんは『初期投資にだいぶかかったから、必ずラストハッピー賞を手に入れて元を取りたい』と言っていたんだ」
ラストハッピー賞を確実に手に入れるには、くじ百回分×七百円=七万円かかる場合がある。もしかしたら、どうすれば少ない元手でラストハッピー賞を手に入れられるのか何回も足を運んでくじを引き続けたかもしれない。
「…なら、先にラストハッピー賞を手に入れましょう」
少し考え込んだ結が、そう提案した。
「ええ!?」
結の提案に、梅川は大きな声を出した。まさかそんな事を言われるとは思ってなかったからだ。
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