第211話 成績を上げる意外な方法 その62
京川は親から、たとえ体の具合が悪くても、熱がなかったら絶対に塾へ行け!と言われているのだ。
単に「休みたいから」という理由では、サボったと決めつけられて理不尽に責められてしまう。
「それに対してですが、夏風先生のお力を借りようと考えています。保健室の浅野先生も、事情を話せばお力になってくれると思いますよ」
作高へ、というより京川達へ聞かせるように結はそう提案したのだ。
「先生へ…!?」
「はい、先生方は京川さんを心配していました。この事を話しても、きっとお力になってくれると思い
ますよ」
塾をサボった理由は『疲れていたので、休みたかった』からだ。しかも京川は酒井と出会う前に学遊塾の前で倒れそうになったので、心底疲れ果てていた、というのは嘘ではない。
「学遊塾の塾長も、事情を話せば味方になってくれるはずです。体の具合が悪い生徒が来たら、すぐ近くの医者に見せて、勉強よりも静養させますから」
塾なのに、どうしてそこまで…!?と作高はつい驚き半分でそう思ってしまった。
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