タツ伝〜とゆうわけで、この話は終わらせる訳ですよ。ラブコメじゃないから。

「でぇ、まぁ眼鏡がいた訳でぇ、面接してぇ、何かバタバタして終わり。OK?」


「いや、なにがOKよ?全然分からないわ…」


 理解力の無い女、イカ。いや、バターイカ。

 哀れな奴らは権力争いに没頭する。

 嘆かわしい事だ、ラブコメが羨ましいんだな。


 「でもアンタさー、無敵で死なないのに何でそんなビビリなの?」


 私はキッと睨んだ…白濁イカが理由の分からない事を言い出したからだ。


「子供の時からすぐビビっておしっこ漏らしたりウンコ漏らしたり吐いたりしてたじゃん?運動会でも緊張して漏らしたし…でも車とかに轢かれたりしても死なないし、すぐ立ち上がるじゃない?意味分かんないのよねぇ…」


 まず死なないとか言う嘘を喧伝し、本当に死にかけてトラウマを植え付けようするクズの鏡、まさに鏡餅、同じ白色だし。

 

「アイカ、お前さ…ハチ怖いか?」


「いや別に?」


「ハチがさ、お前の目を狙って飛んできたら?」


「怖いね…」「ほら見たことか!」


 暫し沈黙の、アイカが言った…


「関係なく無い?」


「いや、一緒だよ。ハチがオレの目を狙ってきたら、毒が入って死ぬ。勿論、鉄砲で撃っても死ぬ。ありとあらゆる方法で死ぬ。タツは死ぬ。か弱いタツを大事にしろ」


 これだけ言って分からないならもう脳みそがイカだな、母なる海に帰れ。


「ありぇだ、キセイジュウだっけか?あっらよなぁ…『我々は弱い』みたいなの、そりぇか?」


 酔っ払っている気持ち良いクズ、ネトに言われた。


「気持ち良い獣は黙ってろ、お前は患者の乳首やチ◯コに指当てて『トモダチ』とか言ってろ!オレは子供のいる人妻、寄生しているのはヒロの精子だ」


「アンタ、それ以外無いの?昔からそうよね。キッとするだけで何もしない。ヒロに頼りっぱなしの馬鹿…」


 私は思い出した、少し前のワード…急に…運動会…


「言えば良い…しかしもし…今、運動会やったらオレが勝つだろうな…昔のオレとは違うからな…」


「何それ?急に…タツ…アンタ、まだ根に持ってんの?しつこいなぁホントに…逆恨みだし…良いじゃん、むしろあの時は…」


 


――――――――――――――


 ある日の運動会…小学6年生の私達、幼馴染み4人組。


 顔と目つきの鋭い少年、常在戦場のヒロが言った。 

「俺たちは全員クラスが違った。そして一番年長…これは運動会という名の戦国だ。命をかけてやることに意味がある」


 当時はまるで子役ではないかと思う程の見目麗しい、現在はイカ女、アイカが言った。

「やるからには全力でやるけど…私は最終的にはヒロの味方だから」


 そして高身長の眼鏡イケメンと評判のクソ眼鏡、ネトが言った。

「いや戦国時代とかやめない?普通にしようよ」


 そして、私。私は…胃腸が弱く人が沢山来るイベントで腹を壊す…

「お、お腹痛い…緊張で…お、おなか…も、もれ…」


 するとヒロが私を無視し、アイカの手首を捻り上げながら言った…

「アイカァッ!?スパイ行為は許さんぞっ!」

「イタタ!分かったわ…ヒロ、3組は全力でやるわ!!」


 そしてヒロが横に来て耳打ちしたんだ。

「タツ、安心しろ…負けてもウンコ漏らして死ぬだけだ。お前が死ぬなら一緒に死んでやる」


 半泣きで私は言った…

「漏らして死んでヒロも死ぬ!?い、いやらぁ…」

 ぎゅるるる―


 ヒロはまだ、幼く人を励まし安心させる事を分かっていなかったな。

 一つ起きると嫌なことが全部起きる地獄式を耳打ちされた。


 私はトグロ(妹)の如く100%中の2%ぐらいで運動会に参加…ほぼ何もしていない。


 そして運命のリレーが来た…残念ながら…私は普通の授業であればダントツ早い…

 だからアンカー…6年生で早いからアンカー…

 確かに気持ち良い馬鹿で当時、陰険眼鏡だったネトが同じクラスで私の次に早かったが、それでも鈍亀なので私が…アンカー…


 ヒロのクラスは、普通に足がヒロより早いやつがいたのでなんか知らんやつ…そこまでは良い…同じアンカー走者にアイカがいた…


「タツ…コレで勝ったらヒロにちょっかい出せる権利賭けない?」


「賭けない…だってアイカ…卑怯な手を使うじゃん」


「ハァ?相変わらずの被害者意識ね…」


 絶対勝てるタイミングで賭けるクズ…そしてトイレは運動会って何故か常に満杯…一回男子トイレに入ったら水かけられた挙げ句、ヒロに出てくるの見られ、ヒロターレンの『男子確認!巨根確認!(恥丘)』をくらってしまい2度と入りたくない。



 そんな事を考えていたらリレーが始まった…死ぬ…

 胃腸は言った…『限界です』

 肛門を守る番兵も言った

 『この仕事が終わったら昨日生まれた子供に会えるんだ…』


 私は…トグロ(妹)100%中の1%で子鹿の様に走った…私のチームは2位だったがあっさりとアイカに抜かれた、そして私を皆がゴボウ抜き…

 

「タツウウウウウッッ!!ナメプヤメロォッッッ!!」


 ヒロの意味不明な怒号にビビり走り、先頭グループに追いついた……が、その直後漏らした。

 そして盛大にコケた…前を見ると数メートル前でゴールテープを切り満面の笑みで振り返り保護者席やら、周りのチームを煽るアイカ…大きな拍手…


 格差…出来る奴と出来ない奴の差…


 更にムカつく事にゴールした後に、まるでアイドルの如く全体を円を描く様に指を指したまま回り、バドンを掲げた。逆転優勝の立役者…

 盛り上がるオーディエンス…私は心のディフェンスの弱さで定評がある藤原龍虎。

 

「ぐぞぉ…あ、アイカァァァ!!【パンッ!】グワッ!?」


 倒れてケツをプリっと上げていた私のケツにヒロは何故か水風船を何発か当てた…勢いでゴールラインまで進んだ…が、何でこんな事するんだ…?

 負けたからか!?

 そしてゴールラインを越えた所でズタ袋に入れられ運ばれた…ご、拷問が待っているぅ…


 そのズタ袋をネトが受け取り女子トイレに投げ込まれた…そして誰だか分からん謎のジャージを履けと…名前には『タツオ』…舐めてんのかネトは…


――――――――――――――――――――――


「思い出したぞ…運動会…ヒロ…オレは思い出し怒りに入るぞ…ヒロにも怒ってるぞ…」


 するとヒロが「あー…」みたいな全然私の怒りに呼応しない態度で返してきた…な、なんでぇ?


「あの時のアイカ、イカしてたからなぁ」


 今もイカ臭いですけどねぇっ!?奥さんが殺された(社会的に)話に、元カノプッシュ…外道だょアンタっ!?後、ヒロもイカって言った。


「タツが漏らしたのバレないように派手な動きしてたよなぁ、一瞬で俺の意図を汲み取るってのは幼馴染みだな」


「ヒロ、よせ。それ以上のアイカ推しは私といえど、妻といえども看過出来ない、このままではコケシ


「タツが漏らしてるのを見られないように、ワザと派手なパフォーマンスするなんてなぁ…」


「ヒロォ…僕らってやったろぉ?」


「そうそう、ネトも急いで保健室にジャージ取り入って、トイレ確保の準備してたもんな(笑)」


 ハァ!?何の話?


「ヒロが鬼の形相で私とタツ交互に見てるんだもん。あータツやったなって(笑)後から聞いたよ、先生に『タツ、漏らしてるけど保護者がいる前は可哀想だから俺に任せて下さい』って先生説得してたでしょ?で?タツは何に怒ってるの?ねぇ?何を?ねえぇ?タツゥ?」


 ちょ、ちょ、待てよ…私は前のめりで近付いてくるアイカの圧に押され、そのままくまのぬいぐるみのように後ろの壁に脱力して寄っかかった…

 

 ヒロォ…コレか…恐れていた…後から出る事実…NTR小説でもよくあるやつだ。

 早まって勘違いして…もう遅い…ざまぁ…


「あ、アイカ…妊婦を何だと思っている?お前はお腹の赤ちゃんにもざまぁするのか?この殺人鬼…」


「は?何言ってんの?まぁ良いけどね。アンタが育児放棄したら子供は私が責任持って育ててあげるから安心しなよ。私、子供好きだし?ヒロの子供でしょ?アイカ大好きつフフフ♥」

 

「ヒロッ!誘拐犯だ!タイムパトロールに連絡して未来の犯罪者がいるって言え!」


「ハァ…お前らいい加減にしろ…成人式でも仲良く出来ないのか?ちょっとトイレ…」


 よし、ヒロはタイムパトロールに報告に行った。


「まぁタツは…何だっけ?アンタの好きな漫画だかで見た…そう孕み袋!孕み袋みたいなもんだから(笑)」


 パッと言われてすぐ思いつかず画像検索する…


「対魔忍…孕み袋…キサマぁ!アイカァァァッ!」


そこからアイカが俺の悪口と昔の汚点を根掘り葉掘り出し、挙げ句の果てには気を使ってやっていたとか言い、まるでコイツの手のひらで泳がされている様な錯覚に陥りながら馬鹿にし続けるので、帰って泣き叫びながらヒロに甘えた。悔しい…悔しいぃ…


 

―――――――――――――――――――――――

※ヒロ視点


「何でお前らそんなにすぐ喧嘩すんの?俺の事散々言うけどお前らも大概よ?」


 祝日の日、小学5年になっていた双子の子供、龍博と照虎が、久しぶりにフランスから実家に帰ってきたアイカと話している。


「「アイカさん、お土産ありがとう!大好き!」」


「どういたしまして!でもほぼ同時に同じ事言って…ヒロ、双子って凄いわね?」


「いや、何か照虎が心を読めるだか、合わせられるんだよ…だからこのネタは良くやってる…」


「ネタ!?あぁそう…今の子は凄いわ…」


 今の子とか関係無いが…気の小さい龍博が遠慮がちにアイカに聞いた…


「あの…母さんがアイカさんの話すると悪口しか言わないの…で、アイカさんも母さんと会うとすぐ喧嘩しちゃうでしょ?でも父さんや他の人は2人共しょうがないみたいな感じだけど…何でそんなに仲悪いの?」


 アイカが俺をチラっと見た後、照れながらニヒヒと笑った。


「ん~~あ〜…お母さんには内緒だよ?仲悪いんじゃないんだよ、アレが私とタツの普通の会話なんだよね。お互いそうやって30年…か。きっと、お母さんと私は幼馴染みで親友なんだよ。同棲だと唯一のね。だから龍博と照虎も大好きなんだよ?」


 照虎がちょっと虹色になってる、コイツ、心を読むなとあれほど…


「本気で思ってる…お母さんの事も…私達の事も…お母さんか言ってたんだよ…アイカさんは嘘つきだって…でもお母さんが嘘つきだ…」


「あぁ〜心読めちゃう?イクエさんの…そうだね、お母さんは嘘つきじゃないよ、私は大切な人以外には嘘つくから。いや、大切な人にも嘘ついたけどね。大切な人に嘘ついて酷い目にあったからもうつかないよ?だけどそうだね、タツには嘘ついた事無いな…タツは何だか『コイツ、私がなんとかしなきゃヤバいな』って感じにさせるんだよねぇ…まぁそもそも嘘とかよくわかんないぐらい馬鹿だもんね、タツ…」


 最後の一言がなければいい話なのに…でもまぁそうなんだよなあ…運動会の話だって…


 ガラララララ


「ただいまぁっ!祝日だってのに呼びつけやがって!ちょっと穴間違えただけだろうがっ!ちょっと重機が尻穴に入ったからって何でキレてるんですか?って聞いたら「仕事で開ける穴はお前の性感帯じゃねぇんだ」みたいなこと言いやがって!クソゼネコン!そして玄関前でネトがいたからいつからウチはのぞきべや、別名『窓ンナ』になったんだよ!なぁヒロ聞いてくれ…………って何で、アイカがいんの?落ち武者イカ?」


「いや、メール送ったんだけど…てか玄関で何言ってんの?」


「いや、来てないけど…あ、いま来た。ヒロに言え!ヒロが無制限コースにしないからオレはADSL並みの回線でやんややんや…!」


 そーなんだよなぁ…タツがいなければ幼馴染みで集まる事も無かったかも知れない。

 タツ…ありがとうな…

 

『それにしてもヒロがな、最近大人チ◯コに注目しているようで困っている。棺さんの股間見て生唾飲んだ…これは困った…ネト、お前なら分かるか?』


『それは気持ち良い案件だが事故案件たな…』


 よし、こいつら、殺す…


  

 

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