NTRに気づかない振りをする、初めてのクリスマスデートはハードトレーニング過ぎる件!

 俺は明日の事を考える…初めてのクリスマス、本来であれば記憶に残る最高の記念日だ…明日のことを考えるだけで胃液が出そうだ…


 「よし、タツ!俺の彼女、アイカが幼馴染で親友であるネトにNTRれた…しかし、俺はアイカを信じてこのまま続ける事にした。ここまでは良いな?」


「もう…ネトは親友じゃないんじゃないか?普通は幼馴染の彼女…盗らないぞ。オレ、アイツ元からあんま好きじゃないし…それに…信じるって…おかしいよ…」


「この妨害クソ漏らし忍女・タツは俺のNTRメンタルトレーニングに水をさすのであった。何なんだよ、お前は」


「なんでだよぉ!普通の事言ってるだけだろぅ…クソ漏らしって…」


 俺はNTRを目撃してしまった日、明日以降のNTR鍛錬にどう考えても邪魔なので、タツには『NTRカスタマーセンター』として、家でNTRについて調べながら待機という秘策を授けて、とりあえず今日は道場の飲み会に行かせた。

 1人になりたいんだ…


 家に帰り、電気は付けず、隣の家が見える向きになっている勉強机に座り、目の前のアイカの部屋を見る。アイカの部屋は電気がついていて、音楽が鳴っている。

 俺はチャットアプリを開いた。


『明日楽しみだね、今日はライブ楽しかった?』


『楽しかったよ!帰りにネトと会ったよ!話しながら帰ってきた(犬絵文字)明日楽しみだね♥』

 

 俺はある一文がひっかかった…そもそも気になっていたのだ…アイカはいつからNTRれていた?

 『ネトと会ったよ』…このフレーズに見覚えがあったのだ。

 やり取りを見直すと…今年の3月!?俺が告白した3日後からだ…その後も数え切れない程の「ネトと会った」の文字…スマホを持つ手が震える…どれがセックスしてたか分からんが、殆ど俺と会わなかった日だっ!全部と言っていいだろうっ!今すぐ隣の家、アイカの部屋に行って問いただしたい衝動に駆られる!いつからだ!?と。何だったらアイカの親も呼んで動画流して糾弾してやろうか!?そして家族ごと縁を切って学校に晒して…


「グググックゥ…グヒッ…キィッギギギ…ギィ…」


 俺は復讐鬼という暗黒面に落ちる前に歯を食いしばる。今日、何度目の涙か…復讐、最近の流行りの「ざまぁ」ってやつか…あんなものはメンタル雑魚がやるもんだ、俺はそんなもの望んでいない、俺が耐え、皆が幸せになる…耐えろ…耐えろっ!

 グゥゥゥ!俺はその場では耐えきれず布団に潜り込んだ!





「ギギィィッ!うおおおっ!?なんかいるっ!?」


「ウワァっ!アヒィィィィィッ!!!…ヒロッ!?アッアッア〜」じんわ〜♨ガクガクガク…ガッ!


「うおお!離せっ!何だ!なんだ離せっ!え?…」


 暗闇の中、布団に潜り込み、辛過ぎる気持ちを枕を抱きしめて解消しようした。

 ところが掛け布団の中にあった、枕より遥かにでかい、俺よりでかい柔らかいものを抱きしめてしまった。

 そのでかくて柔らかいものが、こちらに掴んで来て離さないので心臓が止まりかけた。

 一瞬、ありえないと思いつつ、クマかと思って何度か殴った。

 しかし感触で分かった、この先程まで何度も殺意が湧いた全身タイツの質感、俺の布団の中で外履きのブーツ!

 布団の中には帰った筈の、不法侵入退魔忍が間違いなくいる!

 そして絡み合っている足に温かい水分が広がる…うおおおっ!…この小便漏らし忍っ!俺の布団の中で!いい加減にしろコイツ!


「離せテメー!お前、タツだろっ!?何考えてんだっ!もう許さねーぞっ!」


「違う!オレはタツじゃない!違う!違う!タツじゃない!」


「だったら顔見せろキサマッ!バカみてーな格好でバカみてーな事を何度も何度もムグゥっ!?」


 何故かお漏らし忍者にキスされた…しかもグイグイ舌入れてくる…口を食わんばかりに押し付けてくる…


「ムフー♥ムフー♥ムブー♥ンー♥」


 凄い鼻息で、両手を俺の頭に巻き付けるように拘束してきた。

 それこそ俺よりでかく力もあるタツが、そのような事をすればマジでクマに襲われている感覚だ。

 そんな話あるかよ!俺のファーストベロチュー返せ!


「ンフーチュパ♥フグっ!?レロングッ!?ムグッ!?ムクグッ!グムッ!♥」

 ドンッドンッドンッドンッドンッドンッ!


 俺は隙間を見つけて、両手を頭に巻き付けているタツのガラ空きの脇腹とみぞおちを躊躇いなく殴りつける。

 クソ!こいつ、力入れて筋肉で守ってやがる!こんな器用な事が出来るのは間違いなくタツだ。

 更に身体の前面押し付けて密着して来た!


 俺は葛藤する…コイツの弱点、それは尻の穴。

 だか、コイツはさっき庭で…ええい!ままよ!

 俺の右人差し指と中指を持ってけ!セイッ!


 「ムブー♥ムフー♥『ズンッ!』ンハっ!?…」


 呼吸と舌の動きが止まった!身体弓なりにピーンと伸びている…思い出せ!コイツを止める方法を!剛の力では駄目だ、柔だ、片手で流水の如く指先だけで全身を弄った。


「ヒャギィ♥アヒ♥らめっ♥それっらめぇッ!」


 身体小刻みに痙攣させ両手の力が抜け頭の拘束が解けていく…見えた!俺はカンチョーしていた右手を素早く抜き両手でおっぱいをわしづかむ!


「ンハっ!♥んぽぉぉぉぉぉぉ♥!!!!!」


 俺は左手でおっぱいを揉みしだきながら、素早くマウントを取る。


「オラァ、お前タツだろうが!顔見せろこのヤロウ!」

「はひっ!♥ちがっ!♥ラツらない!♥」


 右手で頬面と、目を隠している布を取ろうとすると両手で抵抗してきた…甘いわコイツめ!

 マフラーで素早く両手首を縛り、そのまま胴体に固定する。


「はひぃっ♥!?しまっら♥オレわはっラツらない!♥ラツらない!♥」


 馬乗りになって再びおっぱいをもみながら頬面に手をかけたところで、タツが海老の動きをして馬乗りから脱出された。タツはそのままベットから転がり落ちてヨタヨタ立ち上がり上半身を固定された状態で窓の方に向かった…


「おい!タツ!逃げんのか!?おい!聞いてんのか!何なんだよお前は!おいタツーッ!?」


「らら…ヒロがちんぱいらったからぁ♥オレはラツらないら!アレら、クニイチらぁ♥」


 ドサッ!


 そのまま窓から転がる様に落ちていった…

 これ、俺も浮気してねーか?いや、違う。俺はバカのお漏らし変態口吸い女忍者を撃退しただけだ。


 この布団どーすんだよぉ…俺はブーツに着いた土まみれの、聖水対魔忍の黄金水で濡れた布団を見て絶望した。


 


 そして、次の日、クリスマスデート。

 街はイルミネーションで彩られており、隣に住んているにも関わらず、敢えてイルミネーションの下でアイカと待ちあわせした。

 アイカは赤色のワンピースにコートを着ていた。

 肩までの髪に切りそろえられ、おでこの見える短い前髪、スタイルの良い身体についてるEカップのおっぱいと本能をくすぐる笑顔…昨日の情事の事を忘れてしまいそうになる…


「おまたせ~!今日はとっても景色がキレイだね♥」


 この笑顔が…身体が…既にあいつの物…イカン。トレーニングに集中せねば…


「ハハハ、待ってないよ!それにしても、今日のアイカは素敵だね」


「うふふ、ありがと♥ヒロも素敵よ♥」


(テメー、ネトの前でも同じ事言ってんだろ!?)

とは絶対言ってはいけない…これはキツイな…


 そうして予約している店に着いた。

 ホテルに併設されているレストランでドレスコードが無いのが良い。

 ただ、もちろん俺だって一応シャツにネクタイぐらいはしている。そして連絡用の伊達めがねだ。


「そーいえば最近、ヒロってタツとばかりの遊んでない?友達からなんか公園で遊んでいるの見たって聞いたけど…」


 プクーっと頬を膨らませるアイカ…


(遊びに誘っても断るのはオメーだろうが!)

とは口が裂けても言えない…


「昨日じゃない?昨日は道場でのパーティーにアイツ来なかったんだよ。ちょっと探しにこっちに戻ってきたら、変な仮装してウロウロしているタツを連行したんだよ」


「戻ってきたの?ん~~そっかぁ、でも浮気は駄目だよ?」


(オメーが浮気してんだろうが!?)とは言えない…


「そんな事ないよ!俺はアイカ一筋だから!」


 その後、いつもの雑談をしているが、ムカつきすぎて顔に出そうだ…まだ前菜なのに…





 ふと、少し離れたレストランの入口で、客とボーイさんが変な空気になっている…客の方見たことある…今、俺の骨伝導イヤホンとマイク付きの伊達メガネで繋がっている相手の音声から「いらっしゃいませ」と声が、聞こえる。

 本来はNTRコールセンターとして家で待機の筈のクソ変態くの一が、レストランの入り口にいる…ようだ。そう、タツである。


 すぐわかる、髪は普段黒色のロングだが今日は、金髪でカールした髪を上に盛っている、ガッツリメイクしていてそれに連絡用の伊達メガネ…首から上はキャバ嬢の面接だ、そして昨日と同じ強姦型忍者兵器コスチューム(手甲と頬面無し)の上から、リクルートスーツの様なジャケットとスカートを着ているのだ。

 つまり不審者丸出しだ。

 イカれた会話の音声が骨伝導で俺の骨に響く。


「食事をする」

「お一人でしょうか?」

「悪い?」

「いえ、それではお席を…」

「席はオレで決める、悪い?」

「いえ、では窓側、それとも…」

「オレが決める…」

「?…分かりました。では上着…」

「上着?」

「いえ、何でもありません。ではお水を」

「いや、外でアルコールシュッシュッしたから良い」

「あ、はい。ではお好きなように」


 コミュ障が遺憾なく発揮されている。

 そして俺とアイカの席の隣、アイカの真後ろで俺と向かい合う様に座るクレマー忍者。

 俺はスマホを取り出しコミュ嬢欠陥忍者タツに「帰れ」と一言だけ送った。

 

 それを見た変態婬乱くの一は「はい」とだけ返事を返して来て、そのまま店員に

「ミラノ風ドリアとペペロンチーノ、後、ドリンクバー」

「全部ありません」

「…じゃあ、これでシェフのお任せで」

と言って千円渡している。

 

 

 



 さぁ舞台は整った、NTRメンタル勝負の始まりだ!(ヤケクソ)







※作者より、フォロワー数が急激に伸びて俺のメンタルトレーニングになっています。期待に添えなかった方、申し訳ありませぬ(土下座)

 

 


 


 

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